【コラム】人と会うか、会わないを選ぶ。孤立と交流のバランス

コラム

仕事を休んでから、どの程度人と会ったでしょうか。

家族や職場との連絡、そして医師やカウンセラーのほかに話した相手はいるでしょうか。

「仲の良かったはずの友人や同僚とも、連絡を取らなくなった」

これは、こころがしんどいときによくある状態です。

連絡を取っていないからといって、自分がダメになったと思う必要はありません。

精神的にしんどくなっているとき、声をかけてくれる方がいます。

「大丈夫?無理していない?休んだほうが良いと思う」

こうした心配は、精神的に余裕があるときにはありがたいものです。

しかし、余裕がないときに気遣いを受けると、かえってしんどくなることがあります。

そして、相手の善意も分かっているからこそ、「今、心配されるとしんどい」「声をかけられるのも正直つらい」という本音がなかなか言えません。

その結果、しんどいまま我慢をすることになってしまいます。

やがて、「誰から連絡が来ても返信をしない」「そもそもスマホを開いて連絡を確認することもしない」という状態になります。その一方で、「これでいいのだろうか」という気持ちも続きます。

 

孤独を避けるようにと言われるけれども

孤独を避ける。

これはメンタルヘルスを安定させるために、とても重要なポイントです。

孤独が続くと、追い詰められたり、「誰も助けてくれない」という気持ちになったりします。場合によっては、人生をあきらめるような心境になる危険性もあります。

しかし、人づきあいがしんどいときには、「だれも分かってくれないのだな」という気持ちが強くなります。

大切なのは、回復するまでは、そのような気持ちになりやすいということです。

分かってほしいのに分かってもらえないときは、大変苦しいです。

しかも、メンタルが不調な人の気持ちは、周囲の人には伝わりにくい。

だからこそ、気持ちを理解しようとする専門家がいるともいえます。
「伝わらなくてつらい」「孤独を感じる」というその気持ち自体を話してみることが役立ちます。

しんどいときには、無理をしない。

連絡をするときも、必要な相手に、必要な分だけ伝えて、それ以上は無理にかかわらず、ひとりで過ごす。

これが大事です。

 

人に会い始めようかと思うとき

人に会っておいたほうが良いな、という気持ちが出てくることがあります。

しかし、そのときは一度考えてみてください。

「会わなければならない」という義務感から会おうと思っていないでしょうか。

そのときは、まだ会わなくても良いかもしれません。

もし会ったとしても、上手く話せずに余計に疲れてしまったり、会ったことを後悔したりする可能性があるからです。

さらにもう一度、考えてみてください。

「今、素直な気持ちとして会いたいか」「それよりもひとりでいるほうが楽か」

ひとりでいるほうが楽だと感じるときは、まだ急いで会うタイミングではないかもしれません。

一方で、「少しなら話してみたい」という気持ちが自然に出てきたときは、小さな一歩を試してみてください。いきなり会うのではなく、短いメッセージのやりとりや、数分の電話から始めてみるのも方法です。疲れたら切り上げて構いません。会う、会わないは、そのときの自分の状態で選ベば良いのです。

人に会うということは、かなりエネルギーが必要です。

メンタルの不調で休職した方の場合、落ち着いて余裕をもって友だちと会い、話すことを楽しめるようになるのは、かなり回復してからになることが多いです。

回復して、気持ちの状態も落ち着き、仕事もある程度続けて通えるようになってから、余裕が出てくる。個人差はありますが、多くの場合、そのころにようやく、人づきあいでしんどくならずに済むようになります。

そう考えると、まだ仕事を休んでいる間は、必要な連絡だけにしておくというのも、方法のひとつです。

ただし、孤立しないように、近くに誰かがいる状況をつくることも大切です。

たとえば、家族との関係が安心できるものであれば、一時的に家族のもとに身を寄せる方法があります。また、状態によっては入院が役立つこともありますので、主治医と相談してください。

そのようなときも、「しんどいから、そのままにしておいて。必要なときは自分から言うから。それまで待っておいて」と伝えておくことも大切です。自分で伝えにくかったら、とりあえずは手紙はメッセージに書いても良いかもしれません。

まずは自分の回復を目指す。

そして余裕が出てきたら、人とかかわるようにする。

それまでは、無理をしない。

このことが、この時期の人づきあいではとても大切です。

プロフィール
この記事を書いた人
三輪 幸二朗

Mitoce 新大阪カウンセリング代表
臨床心理士

Mitoce 新大阪カウンセリング
電話番号:06-6829-6856
メールアドレス:office@mitoce.net

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