孤独感。これはメンタルヘルスの回復において、とても重要なキーワードです。
とくに仕事を休んで、ひとりで療養生活を送る方にとっては、大きな課題となるでしょう。
または、家族やパートナーと暮らしている方であっても、療養中にはなぜか孤独感が高まります。
今回は、休んでいる生活のなかで感じる孤独感、孤立したと感じることについて、どう付き合っていくと良いか、という話をしたいと思います。
孤独を感じるとき
まず、孤独感とはどのような時に感じるのでしょうか。
社会とのつながりがない、かかわる人がいない。そういったときに孤独だと感じる。これは基本的なことだと思います。
仕事を休んで家で過ごしているときを考えます。それまで毎日、「誰かが周りにいる」環境にいたはずなのに、急に一人でいる時間が増えた。あったはずの人間関係がなくなった。つまり、休職を始めたときに感じる孤独感の背景には、「喪失感」も含まれています。この喪失感があると、「私はダメなことをしてしまったのでは」という、失敗したという感覚や罪悪感も出てきます。
しかし、このときに思い出していただきたいのは、「必要だったから休んだ」という事情です。自分が間違ったことをしたのではなく、必要だから休んだのです。
または、人とのつながりがある場合はどうでしょう。家族やパートナーと暮らしている、または友人や会社関係の人から連絡が来る。そういったときに、自分のしんどさを他人にうまく伝えられなかったり、「しんどくて上手く対応できないのに、向こうから声をかけられる。心配なのはわかっているけれども」というように、他人の干渉がしんどく感じられたりします。そして気持ちとして距離を感じる。これも孤独感につながります。
孤立感が生まれてくる
孤独感を感じていたとしても、少し体調が回復してくると、周囲の状況が見えてきます。
そのときに気づくのが「自分は社会から孤立している」という感覚です。
状態が落ち着いてくると、会社からの連絡も減る。友だちとの連絡も少なくなる。
また、家族やパートナーは、それぞれ自分の生活があり、社会とのかかわりを持ちながら生活を送っている。それに比べて自分は孤立している。そのような感覚が強まるのです。
そういったときに、なんとかしようと思って、インターネットやSNSで、メンタル不調の情報を探す方もおられます。しかし、そこに載っているのは、プラスかマイナスか、どちらかに偏った情報がほとんどです。プラスの情報として、「私はしんどかったけれども、立ち直りました」と書いているのをみても、「あなたは良かったかもしれないけれども、私はしんどいのだ」という気持ちになります。マイナスの情報で「メンタルの状態が悪い奴は、甘えているだけで自己中心的だ」などと書いていると、それをみて「やっぱり、世間はそう思う。私はさぼっているだけだ」と、これも否定的な気分になります。
客観的な専門家の記述をみていても「それは、私に当てはまるの? じゃあ、どうすればよい?」と思い、答えがみつからない感じもします。
つまり、この時期に外から情報を入れたとしても、建設的に扱うのが難しいこともあります。
なので、「読んでも役に立たない」「余計にしんどいな」というときには、一旦、外の情報と距離をとるのも一つの方法です。
では、もし誰かとのかかわりが欲しい、いろいろと聞いてみたい。そのような思いがある場合はどうすれば良いでしょうか。
この人といれば気持ちが少し楽になる。安心する。そのような人がもしまわりにいれば、その人とだけ、関係を続けてください。そのほかは、少し距離を取るというのも正解でしょう。無理をしないでください。
または、専門家の支援を受けることも大切です。孤独が強くて、だれにも気持ちを理解してもらえない感じがする。そういった状態を素直に伝えることで、何らかのアドバイスがもらえるかもしれません。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、しんどい人間関係は避けるけれども、安心できる人とは、積極的につながりを維持する。つまり孤立を避けるということは、精神状態の安定には重要なのです。
症状の一つとして捉える
そして、毎回繰り返しになりますが、こういった「孤独感」「孤立感」はメンタルの状態が落ち着いていないときに出てくる、症状の一つとして考えてください。つまり、しっかりと休養を取り、回復してくると、徐々に感じることが少なくなるものです。毎日孤独を感じていた人が、回復してくると「そういえば、最近そんなに感じなくなってきた」と仰ることは良くあります。
孤独感を感じるからといって、人生を諦める必要はありません。
これはとても大切なことだと思います。


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