【コラム】人とかかわり始める回復期後半

コラム

しんどくて、誰とも関わりたくなかった。
それを言葉にすることもできなかった。
家族や友だちとも、必要なこと以外は距離を取っていた。

そんな時期がしばらく続いたかもしれません。

休養を重ねて回復し始めたとき、ようやく出てくるのが、家族や身近な人への「こうしてほしい」という言葉です。

 

「断る気力」が戻ってきたら

しんどいときは、話しかけられても答える気力がありません。
たとえ良いアドバイスや励ましでも、聞くこと自体がつらく感じられます。

回復が進むと、そうした声かけに「ちょっとしんどいから、後にしてもらっていい?」と返せるようになってきます。

家族の方は「親切心から言っているのに」と感じるかもしれません。けれども、これは断る気力が戻ってきたという、回復のサインともいえます。ここでは、その変化を評価したいと思います。
ただし、本人はまだ「怒られること」自体がつらいため、伝え方への配慮は引き続き必要です。

本人も、苛立ちを相手にぶつけたいわけではありません。お互いの関係を保ちながら回復を支えるには、ほどよい距離感が大切なのです。

ではその距離を、どのようにすれば保つことが出来るのでしょうか。

「こうしてほしい」を伝える

距離感を保つ方法が、「自分がしてほしいことをまわりの人に伝える」です。

「朝はしんどいので、そっとしておいてほしい」
「何かしてほしいことがあれば、自分から伝えるから」

このように自分が期待する行動を言葉にするのです。

こういった言葉を伝えたとき、相手が素直に応じてくれる場合もあれば、まったく効果がないこともあります。

そのときは諦めるよりも、「どうすれば自分が安心できる環境を保てるか」を考えてみてください。

部屋を暗くして寝ていれば声をかけられないなら、そうしてみる。
音楽の音がまだつらいなら、耳栓をして遮断する。

こうして自分の身を守る工夫を大切にします。これは今自分を守るために必要な行動と考えてください。必要なくなれば、また変えていけばよいのです。

そのうえで、動けそうなときや、話しかける気力が出たときには、少し話してみる。

そうやって、マイペースでかかわりを広げていくのです。

 

優先するのは、自分の回復

「こんなことをお願いしたら、相手に申し訳ない」と思う方もおられるでしょう。

けれども、今は自分の回復が最優先です。それは結果として、まわりの人の安心にもつながります。

精神的にも余裕がないときの失敗は、回復してから取り戻せることがほとんどです。

家族に負担をかけたと感じても、今は無理に埋め合わせようとせず、「回復してからフォローしよう」と考えてください。

 

「軽いかかわり」で充分

今は、密な関係や深いかかわりは必要ありません。

ちょっとしたお願いをするだけの「軽いかかわり」で十分です。それは家族にも、友人にも、会社にも同じことが言えます。

自分がいない間の会社の状況は気になるけれども、いったん置いておく。

用件だけ伝えて、それ以上は「まだしんどいので、またお願いします」ぐらいで短く切る。

必要な手続きや連絡は、家族や信頼できる人に代わってもらう方法もあります。

友だちから連絡が来たら、「今ちょっとしんどくて、また連絡するね」と伝えて、あとは休んでかまいません。

友だちであれば、回復してからまた関係を築き直せます。焦って関係を持とうとする必要はありません。

「自分が楽でいられる人間関係を大切にする」

これが回復を支え、回復したあとの生活にも良い影響を与えます。

 

プロフィール
この記事を書いた人
三輪 幸二朗

Mitoce 新大阪カウンセリング代表
臨床心理士

Mitoce 新大阪カウンセリング
電話番号:06-6829-6856
メールアドレス:office@mitoce.net

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