【コラム】生活リズムを整え始める 回復期前半の行動

コラム

休職をして、家にいる時間が増えてくると、少しずつ「暇だ」と感じるようになってきます。そして、気持ちとしても「何か動こうかな」という思いが出てきます。

これまでの「しんどくて動けない」「動かないといけないと思って、焦る」のと違って、回復期に出てくるのは「暇を感じる」ことです。

 

暇を感じるのは、回復のサイン

「暇を感じる」。これは、とても大事な回復のサインです。というのも、これは「気持ちに余裕が出てこないと感じない」ことだからです。しんどくてたまらない、動けないときには、暇だと感じる余裕もありません。余裕が出てくると、動く体力が回復してくる。気持ちも落ち着いてくると、周囲の状況が見えてくる。「何かできそうだけれども」という感覚もあり、少し動いても体力が残っている。だから「暇を感じる」のです。

ただし、暇を感じたからといって、いきなり活動を増やす必要はありません。焦って動き出さず、次にお伝えするように、少しずつ生活のリズムを整るのが大切です。

ではどのように過ごせばいいのでしょうか。

今回は暇を感じ始めてから、生活リズムをどう整えるかを説明していきます。

 

ここでも「無理をしない」

これまでにもお伝えしてきたように、「無理をしないで過ごすほど回復が早くなる」。これは、回復が始まってきても、方針としては変わりません。

そしてこれも基本的なことなのですが、「規則的な生活は健康につながる」。これも正しいです。つまり、「無理のない程度で余裕を残したまま、規則正しい生活を目指す」のです。

 

朝の目覚めと食事

どういうことかというと、この頃になってくると、朝に目覚める時間帯が固定してきます。前は全く眠れなかった、眠ってもすぐに目が覚めたりしていた人も、眠りは浅い、まだしんどいときはあるけれども、9時ごろにとりあえず目が覚める、ということが出てきます。この時間帯は人によって違いますので、「自分は違う」と心配しなくて大丈夫です。

そのあとに起き上がれる日もあれば、ずっと横になっておきたい日もある。でもとりあえず9時ごろに目が覚める。これが規則正しい生活の始まりです。自然と出てくる生活のパターンに従うのです。

そのまま起きていると、「そろそろご飯を食べようかな」という気持ちも出てきます。それが食事をとるタイミングです。

始めは「きちんと食べないとダメ」と思っていたけれども食欲がなかった。でもこの頃になると、「そろそろ食べようかな」という気持ちが出てくることがあります。そのときに食べてください。朝食の場合もあれば、昼食の時間になっているときもあるでしょう。「自分にとって無理のない時間」がポイントなので、ここでも「食べられそうな時に食べる」。それを続けていると、大体12時ごろには食べるようになる、というパターンも出てきます。

「食べたい気持ちが出てこない」というときは、焦らなくても結構です。「とりあえず食べてみよう」ぐらいでいいのです。そのうち、時間が安定してきます。

 

午後の過ごし方

午後はどう過ごせばよいでしょうか。

食事をとると、そのあと少し眠たくなることがありますます。そのときは、無理をせずに仮眠を取るとよいでしょう。

ただし、ベッドに入って本格的に寝るとそのまま夕方になってしまい、さらに夜に眠れなくなるので注意です。仮眠は30分以内を目安に、ソファに腰かけてウトウトする、机に突っ伏して寝る、などで試してみてください。

それで少し休んで動けそうだったら、動いてみてください。動けないときは、まだ回復途中なので、そのままゆっくり過ごす、つまりあまり動かずにボーっと過ごしてもかまいません。

では、動けそうなときはどうすればよいでしょうか。

簡単な家事をしてもよいですし、気持ちが乗るようであれば、外出も考え始める時期です。

ただし、外出はとてもエネルギーが要ります。

 

外出するとき

外に出かけたいな、と思ったときは「できるだけ準備にエネルギーをかけない」ことが大切です。服装も適当、化粧もほとんどしない。周囲の刺激にもまだ敏感なので、帽子をかぶってマスクをつけて、イヤホンをつけて外に出る。それぐらいの完全防備で出てください。(もちろん、イヤホンの音を上げすぎないで)

そして「遠くに出かけない」「人の多いところには行かない」「できたら静かで、自然があるところ」の方がよいでしょう。また「天気がよい日」というのも大切です。

というのも回復の時期には、天気や気圧の変化が苦手という人もおられます。そういった変化があると、「なぜかわからないけど、しんどくなる」という体調不良が起きたりします。そういうときは無理をしない。そのうち天気がよくなる日も来るので、その日まで「どこに行ってみようか」と考えながら待つと良いでしょう。

そして外に出かけたあとは、かならず疲れます。「ちょっと外出しただけなのに」と落ち込む人もいますが、気にしなくても大丈夫です。

メンタルの状態が悪くなったあと、久しぶりに外に出た。慣れない行動で、しかも回復途中なので、疲れて当然です。

むしろ「疲れを感じたので休みたい」と感じることも大切です。というのも、休職をするときは大抵、「自分が無理をしているのに気づかなかった」「疲れているはずなのに、疲れを感じなかった」状態です。それが「疲れを感じる」というのは、疲れを感じるセンサーが回復してきたと考えるとよいでしょう。

そのため外出をするときも、自分の体調に耳を傾けながら、「今日は出かけられそうかな」というときに、ちょっとずつ試してみる。そして外出をあきらめずに、行ける日は出かけることを続けていると、さらに体力が回復してきます。

そうやって、慎重にできる範囲だけで少しずつ行動を増やして、自然に出てきた生活リズムに乗りながら生活を送る。これが回復の成果の一つになるでしょう。

睡眠や食欲がなかなか整わないときや、つらさが強くなってきたときは、一人で抱え込まずに相談してください。回復は行ったり来たりをしながら、進むものです。

プロフィール
この記事を書いた人
三輪 幸二朗

Mitoce 新大阪カウンセリング代表
臨床心理士

Mitoce 新大阪カウンセリング
電話番号:06-6829-6856
メールアドレス:office@mitoce.net

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