休職して家で過ごす時間が増えたにもかかわらず、気持ちがなかなか休まらない、という方は多くおられます。
休める状況が整ったにもかかわらず、なかなか気持ちが休まらないのです。
どうして気持ちが休まらないのかと考えるときに、大切なキーワードが、「罪悪感と無力感」です。
罪悪感と無力感とは?
罪悪感とは、休んでいることによって、まわりの人に迷惑をかけていないだろうかという罪の意識です。これまでにも取り上げた内容と重なるのですが、「職場のみんなに迷惑をかけている」「自分だけ休んでいて申し訳ない」、家族と暮らしている方であれば「働かないので負担をかけている」という罪悪感です。
しかしながら、それは休まざるを得ないほどの体調だからです。自分が悪いと思っているのに「体が動かなくてしんどい」「頭が上手く働かない」というしんどさで、「どうしたらよいのかわからない」となるのです。
そこからつながる、無力感というのも理解できるかもしれません。
「みんなが働いているのに、自分は何もしていない。一体、何をしているのだろう」「このまま何もできなくなってしまうのだろうか」「回復している感じがしない。休んでいても変わらない」
このような気持ちが出てくるのです。
自分では体調をコントロールできない。それどころか、休んでいても何も変わっていない感じがする。休んだことが意味なかったのではないだろうか。
そこまで考えてしまうのです。
そして場合によっては「自分には価値が無い」「生きていても無駄だ」などの追い詰められた気持ちにもなるのです。
こういった気持ちというのは、まわりの人に伝わりにくいので、余計にひとりで抱えて考え込むという状態になります。
メンタルがしんどいときのしんどさ
しんどいときは、休んだら楽になる。
それはある程度、健康な状態が保てているときです。健康な状態であれば、しんどくても休めば回復する力があります。
しかしながら、休職を始めてからの状態は「休みたくても休めないぐらい、しんどい」という状態です。これは体験した本人にしかわからないかもしれません。
「しんどくて横になっている。けれども、横になっているのもしんどい」
「寝たら休めるかもしれない。けれども、しんどすぎて眠れない」
それが休みたくても、休めない状態です。
そのために「しんどいのだったら、休んだらいい」といわれても、「休んでるよ!」「休もうとしても、休めないんだ」というイライラや、くやしさや悲しさも出てきます。
休みたくても休めない、ということが、罪悪感や無力感につながる。「休んでも休めないなら、ずっとこれが続くのでは」という気持ちになるのです。
休むことによって安心するのではなくて、「何もできていない自分」という責める気持ちが出てきてしまう。しかし、これは回復過程に入る前に、多くの方が経験することです。
大切なのは、「そんな気持ちになるほど、しんどいのだ」ということです。本来の調子と比べて、「今はしんどい気持ちになっている」ということ。この時期があっても、「無理をせずに休む」ということを続けることで、回復につながるのです。
休むことや回復の方向が見えなくなったら
自分が回復しているのかどうかわからない。むしろ、余計にしんどくなってしまっているのでは。
そう考えて、方向性が見えなくなってしまう方もおられます。
そういった方向喪失の状態による不安や迷いをひとりで抱えるのは大変なことです。専門家への相談をお勧めするのは、「回復する途中で先が見えなくなることを防ぐ」ためです。
この無力感を経験していると、少し調子が良くなった途端に「今のうちに頑張らないと」と思い、無理をしてしまいます。そうなると、かえって回復が遅くなる。
「回復のために必要なことを守る」ために、専門家による治療や相談を継続して受けていただければと思います。



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