Q35. 発達障害の人にカウンセリングをして効果がありますか? 【発達障害】

よくある質問・カウンセリングの疑問

発達障害のカウンセリングの要点2つ

発達障害を抱える人のカウンセリングをするときには、2つのことを考える必要があります。

  • 障害によって起こる社会適応の問題への対処

  • 障害を抱えて生きることについての悩み

発達障害の場合、カウンセリングの効果について大まかに言うとこの2点に関することです。
カウンセリングによって「適応力が上がる」「生きる悩みが軽くなる」可能性があるといえます。
まずカウンセリングで結果を出すために、どのように対応するかについて説明します。

社会適応力をアセスメントする

発達障害を抱える人が社会適応が出来ないときには、対人関係で上手くコミュニケーションできなかったり、仕事を上手く処理できない状態があります。そのとき対応としてまず必要なのが、能力や精神状態のアセスメントです。アセスメントとは経緯を確認したり心理検査を行うことで、全体的な心理状態を把握することです。

発達障害と診断を受けている人であっても、能力には個人差が大きくあります。
視覚的な情報を受け取るのが得意な人もいれば、それほど得意ではない人もいます。
またはひとつのことに集中するのが好きな人もいれば、いろいろなことを同時に取り組む方が得意という人もいます。

「発達障害だからこのように対応すればいい」という画一的な対応をすると、失敗することがあります。発達障害を抱える人は「能力の個人差がとても大きい」のです。そのため対処法を考えるときも「その人は何が得意で苦手かをしっかりと把握する」ことが大切になります。

適切な対応をするために心理アセスメントをします。具体的には悩みの経緯の聞き取りのほかに、WAISなどの知能検査や質問紙を用います。そういった心理検査の結果から、その人は何が得意で何が苦手かを把握します。そして能力に合わせた対処法を考えます。目指すのは発達障害を抱える本人が「自分は何が得意で苦手かをわかって、課題への対処能力が向上する」ことです。これを「自分だけの対応マニュアルを作る」という人もいます。

発達障害を抱えることの悩み

発達障害を抱えるクライエントの話を聴いていると「自分だけまわりと違うかもしれない」という生きにくさを訴える人も多いです。

その悩みは他人に理解されにくいという特徴があります。とくに幼い頃から発達障害を抱えて生きてきた人は対人関係のなかで、いわゆる失敗体験を数多く重ねているので、「自分はダメな人間だ」など自己否定している人も多くいます。こころの傷(トラウマ)を抱えている人や、精神的に辛かった状況を思い出す症状「フラッシュバック」を繰り返す人もいます。

そういった方に対して「能力をアセスメントして適応力を上げる」だけでは不充分です。発達障害を抱えながら生きることの生きにくさや傷つきを理解してくれる人が必要なのです。

カウンセリングでは心理状態のアセスメントと社会適応の方法を検討します。それとと同時に発達障害を抱えながら暮らすことの「生きにくさ」にも焦点を当てます。「その人がどのような人生を送りたいのか」を確認して、行動面と感情面のサポートもします。「自分の悩みを理解してくれる人がいる」という経験は、発達障害を抱える人にとって大きなこころの支えになります。

発達障害に効果がないカウンセリング

発達障害を抱える人に対して、カウンセリングの効果はないという意見をお持ちの方もおられます。それは従来のいわゆる「ただ話をして自分の内面を振り返る」というカウンセリングを指しているかと思います。

私も「ただ話をするだけのカウンセリング」に効果があるとは思いません。しかし全てのカウンセリングが意味がないかというと、そうではないと思います。実際に、発達障害を抱えている人がカウンセリングを受けることで、生き方がずいぶん楽になったと仰ることもあります。

とくに発達障害を抱える人は、本人も周りの人も「発達障害の部分だけ」に注目して、発達障害以外の部分を忘れやすいです。何か失敗したり、困難なことが起きたら「発達障害だから」と発達障害を原因だと考えてしまうのです。その人の人生が「発達障害だからこうなった」のひと言で片づけてしまうのです。
しかし、その人は発達障害以外の部分もあります。その人なりに悩みよろこび、楽しみながら生きている個性も持っています。大切なのは発達障害以外の「その人らしさや個性」という生き方にかかわる部分なのです。

そのような「発達障害を抱えながら人生を送る人」のこころ全体をみながら行うカウンセリングは、クライエントにも意味があるでしょう。カウンセリングは障害を抱えつつも、「その人らしい個性ある生き方を支える」のが目的です。

最近は自分が発達障害かどうか確かめたいという相談の方がよく来られます。そういった方にも発達障害の傾向の有無を確かめるために、状態確認や心理テストを行うことがあります。そのあとで発達障害かもしれないと悩む背景が分かってきて、カウンセリングを始める方や、今後の方針を見つけていく方もおられます。

発達障害に関心を持っていて、カウンセリングを受けようか迷っている方は、一度カウンセリングにご来談ください。相談内容に応じて、カウンセラーがどのような心理的状態かについて説明し、今後の対応としてどのようなことがあるのかを提案いたします。

Mitoce新大阪カウンセリング・心理検査では「身近に相談が出来るカウンセラー」を目指しています。こころに関する疑問や悩みがあれば、ぜひご連絡ください。

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