休息をしていると、回復する。
そのようにいわれていても、なかなか信じられないかもしれません。
というのも、メンタルの不調が続いて休職を始めたとしても、自分では回復しているかどうかを自覚しにくいからです。
とくにメンタル面についての回復というのは、急に良くなったりするものではありません。
回復というと、風邪をひいたあと、熱が下がって、症状が治まってという、分かりやすい回復を思い浮かべる方も多いのですが、メンタル面の回復は少し違います。
そのため実際には回復が始まっていても、それに気づかず、むしろ「前と変わらない状態がずっと続いている」と思い込んでしまう方もおられます。
今回は「回復初期に起こること」を中心に、説明していきます。
変化は必ず小さな変化
これまでの回で説明してきたように、無理をせずに自分のペースを守って過ごしていると徐々に回復が始まります。
回復は、まずは気づかないぐらい小さな変化から始まります。
・起きていられる時間が増えた。少しだけ動くことが出来る。
・少し長い時間、座っていられた。
・食事が取れるようになった。味を感じた。
・しんどい時間としんどくない時間の区別が分かるようになった。
・休ませてほしい、と言えるようになる。
・朝、カーテンを開けられるようになった。
このような変化です。
これまでに説明したように、こういった些細な変化をメモしておくことも大切でしょう。変化に気づくヒントになります。
これらの小さな変化が積み重なり、起きていられる時間がさらに長くなる、食事の量が少しずつ増える、頭の中の騒がしさがましになってくる、というように進んでいきます。それが回復の兆しです。
わかりにくい回復
回復というと、寝たらすっきり起きられる、マイナスなことを考えなくなる、体もすっかり楽になる、というイメージを持たれやすいですが、そういった分かりやすい状態の回復は、もっと先です。
それよりも「回復していない」「自分は全く変わっていない」「ダメな人間だ」と自分を追い詰めていないかを注意する方が大切です。小さな回復が始まってるのに、それに気づかずに自分を精神的に追い詰める。気づかないうちに、回復を遠ざけていないかを注意した方が良いです。
回復が遅いという思い込みがあると、どうしても「すぐ動かなくては」「すぐに仕事の準備を始めよう」と行動を始める人がいます。無理に一気に動こうとすると、かえってしんどさが強まってしまいます。それよりも、小さく動き始めた回復の兆しを大切に守ること。つまり、無理をしないことが大切です。
回復が早い人というのは、あとから振り返ると、小さな回復の兆しを無理せずに守った方々のことが多いです。
今日はちょっと動けそう。
そう感じたとき、それは気のせいではなく、回復の兆しかもしれないので大切にして下さい。


コメント