【コラム】何をして過ごせばいいか分からない日々

コラム

休職をして、ずっと寝るだけの生活が続いていた。それも辛い日々ですが、回復をしはじめると、今度は「何もすることがない」辛さが訪れます。

仕事をしているときには、毎日することが決まっていて、社会の中での自分の役割もはっきりしていました。それがない生活を過ごすので、「自分が生きていることに意味があるのだろうか」と考えてしまったりします。このような時期に「どんな意味があるか」と考えたとしても、ぐるぐると堂々巡りをして答えが出ないことがほとんどです。

まだ「意味があるかどうか」を考える時期ではないと私は思います。

休職をし始めたころは、動く気力もないでしょう。そのときはあえて、動こうとする必要はありません。それよりも、とにかく、動かず休むことが優先です。

そして回復し始めると、「一日のうちで数十分、または数時間動ける時間」が出てきます。それで「よし、動けるから頑張ろう」とする人もいるのですが、まだまだ動くタイミングではありません。この状態のときには、「動いても、すぐに疲れて動けない」「動けると思ったら、しんどくなる」ことが起きてくるので、無理をする必要はないのでしょう。これは、まだ休む時期です。

さらに休んでいると、「今日は座ってボーっとできる時間があった」「なんとか風呂に入ることができた」という日が出てきます。家の中で寝ている以外に、何かの行動が出始めるのです。ただしこのときも、「疲れたら休む」ということを忘れないでください。

このように、「何をして過ごせばいいかわからない」と考えていても、体は動かないし、しんどい。また考えもまとまりません。このような体調がしばらく続きます。そういったときは、「動いたとしても、しんどかったらすぐに休む」。これを心がけてください。

「できることだけをすれば十分」このことを、とにかく自分に言い聞かせましょう。ここで無理をすると、結局、回復が遅くなりやすいのです。

 

できそうでも無理をしない

無理をせずに休んでいると、「今日はできそうなこと」が思いつきます。昨日まではしんどかったけれども、今日はできそうだ。そのようなことが出てきます。今日はほんの少し家事をしてみる、起きてメールやLINEを確認する。そういった些細なことです。

こういった些細なことであっても、始めは「したあとに疲れる」状態です。そこで、落ち込む必要はありません。「はじめはそれぐらいの体力しかない」のが回復の初期です。

しかも「昨日はできたのに、今日は全くできない」それどころか「1週間前はできたけど、そのあとずっとできなかった」というように、できた日からまたできない日がしばらく続くこともあります。しかしこれも落ち込む必要はなく、「それぐらいの体力」なのだと捉えてください。休んでいれば、また、できる日がやってきます。

 

何もしないでいる日を大切にする

何もしない日が続くと、精神的に追い詰められてきます。

「何もしていないで大丈夫だろうか」と、不安になることもあるでしょう。まわりからも「何もせずにずっと寝てばかりいて」と言われることがあります。また「まわりからどう思われているだろう」と気になったりもします。

しかし、忘れないでほしいのは、自分は回復のために「何もしない」という最も大事なことをしている、ということです。この時期は「何もしないこと」が正解だといえます。

どうしても動きたい、何かしたい、というときには「ちょっとだけ試しに動いてみる」。この「試しに」がポイントです。「試し」なので、うまくいってもいかなくてもかまいません。今日できたことが、次の日できなくても、それを失敗だと気にする必要はありません。できそうなときと、できないときを自分なりに確かめてみましょう。できないということも大切な体験だといえます。

つまり、あらかじめ決めなくていい。場当たり的な行動でもかまいません。予定通りに動けるようになるのは、もう少し回復が進んでからです。回復が進んでいくと、自然とできるようになることが増えてきます。それまでは「試してみる」ぐらいで休みながら進んでいきましょう。

プロフィール
この記事を書いた人
三輪 幸二朗

Mitoce 新大阪カウンセリング代表
臨床心理士

Mitoce 新大阪カウンセリング
電話番号:06-6829-6856
メールアドレス:office@mitoce.net

三輪 幸二朗をフォローする
コラム
シェアする

コメント

タイトルとURLをコピーしました