【コラム】まわりの人に迷惑をかけているという思い込み

コラム

メンタルの不調で仕事を休まれた方の、ほとんどが直面することがあります。しかしまだまだ知られていない。カウンセリングにつながっていない方にも、ぜひ知っておいていただきたいと思い、書かせていただきました。

まわりに対する強い思い込み

「まわりの人に迷惑をかけているのではないか」 これは、しんどいときに陥りやすい考え方の一つです。

実際には、まわりの人は「それほど気にしていない」ことがほとんどです。 あるいは、たしかに仕事は増えるのだけれども、そういったことも仕事の一つとして受け容れようとしている。

(パフォーマンスが落ちている人を執拗に責め立てたり、いつまでも恨んだりするとすれば、責め立てている側に何らかの課題があるといえます)

そう考えると、しんどいときに陥りやすい考えは、どれも「私」にとらわれているといえます。

まわりの人に迷惑をかけているのではないかと思う「私」。
まわりと比べて、自分ができていないのは良くないと思う「私」。

つまり「私」にとらわれてしまっている状態であることに、気づかない「私」です。

しんどいときほど、まわりが見えなくなります。 客観的に自分をみることができず、「私自身の評価」ばかりで物事を考えます。
「私」中心になっている、ということです。

もともと自分を振り返るのが苦手な人もいますが、しんどいときはそれがさらに強まります。

他人にどう思われるか、他人にどう評価されるか。 他人の評価を気にしているように見えても、実際には「私自身の評価」にとらわれている。 そのことに気づかないのです。

そのため、「そこまでがんばらなくても良い」「ゆっくり取り組んだらよい」「まだリハビリ中だから」「無理をしなくても良い」—— そういった助言をもらったとしても、「また周りに気をつかわせてしまった」と「私の観点」で物事を判断してしまうのです。

この考えを修正するのは、正直なところ、大変難しい。カウンセリングをしていても、悩むところです。 でも本人を「そんな考え方になっている」と責めるのも違います。

二つの観点から

まずは、精神的にしんどい状態にある方のまわりの方々へお伝えします。

まわりがどれほど「そこまで気にしなくていい」と伝えたとしても、なかなか聞き入れません。これは本人の意固地さではなく、「私」中心の考えに陥っている状態によります。
そのため職場でできることとしては、仕事量を減らす・残業をさせないなど、物理的な負担を減らすことです。

次に、しんどい思いをしているご本人へお伝えします。

本人としては「私」中心の考えになりやすいということを理解することが大切です。 まわりがどれほど言っても考え方はすぐには修正できない。まずは「しんどいときほど「私」中心の考えになる」ということを知識として身につけておくとよいです。
そうすると、あるとき「あれ、私、自分のことしか考えていない」と気づけるかもしれません。 そのときに「本当に無理せず、休んでいいのですか」と、まりの人に聞いてみてください。 「ずっと前から、休んだ方が良いといっているよ」という返事をもらえるかもしれません。

カウンセリングでは、その考えが客観的なのか、「私」中心になっていないかを話し合います。 それを繰り返すなかで、客観的にみた評価は本当はどうなのかについて、本人が納得できるように話し合います。
そうすると、本当にしなければならないこと、本当に評価を上げるにはどうすればよいかが見えてきます。「無理をしないで、とりあえず仕事を続けられる方が評価が上がる」などです。

そこに至るまで、場合によってはかなりの回数がかかります。 しかし「私」中心だったことに気づき始めたとき、ようやく回復して安定する力が育ってきます。

 

プロフィール
この記事を書いた人
三輪 幸二朗

Mitoce 新大阪カウンセリング代表
臨床心理士

Mitoce 新大阪カウンセリング
電話番号:06-6829-6856
メールアドレス:office@mitoce.net

三輪 幸二朗をフォローする
コラム
シェアする

コメント

タイトルとURLをコピーしました