Q.75 カウンセリグを受けても、状態が良くなっているのか分かりません…。

よくある質問・カウンセリングの疑問

カウンセリングを受け始めた方から、このような質問を受けることがあります。
カウンセリングに来て、話をすることで気持ちが楽になるのはわかるけれども、だからといって「自分のこころの状態が改善しているとは感じられない」という意見です。

これはカウンセリングを受け始めたときに、しばしば持たれる感想ですので、今回はそのことについて答えたいと思います。

 

カウンセリングを受けるとどうなる?

カウンセリングを受け始めたとき、自分の悩み事を話すことで気持ちが少し楽になるという経験をします。

それまで誰かに話したとしても「こうしたらいい」「気にするほどではない」「ちょっと休んだら?」など言われたりします。
カウンセリングではしっかりと気持ちを聴いてもらいます。そして気持ちを理解して受け止めてもらうと、それまで自分ひとりで抱えていた悩みの負担が減ります。負担が減って気持ちが楽になるのです。

カウンセラーに悩み事を相談すると、クラインとは現在どのような精神状態であり、どのように悩んでいるのか考え方のパターンを説明する場合があります。
そういった話し合いを通じて、自分の悩み事や考えが整理できたという感覚が生まれてくることもあります。
カウンセラーによっては、そのあとに「どのように考えればよいのか」「どのように行動するのか」具体的な方法をアドバイスしたり、簡単な宿題をクライエントに与えたりすることもあります。

そして次回の予約をすることになります。

カウンセリングのセッションを受けたときに起こるのは、大まかにはこの二つです。

  • 気持ちを受けてもらうことによる安心
  • こころのなかが少し整理できる

カウンセリングを受けると、この二つを体験することが多いと思います。では、そのあとどうなるのでしょうか。

カウンセリングは受け始めると何度も通うことになります。この二つは体験できたとしても、カウンセリングに通った結果、その先どうなるのかについて、見通しが分からない。そのようにおっしゃるクライエントもおられます。

つまり、カウンセリングで気持ちが楽になり、こころを整理できた。しかし、それでどうして悩みの解決につながるのかが、クライエントにはわかりにくいのです。

 

こころの悩みが解決するとは、こころが変わるということ

こころの悩みが解決するとは、どのような状態になることなのでしょうか。

たとえば、引っ込み思案で人づきあいに悩んでいた人が、「積極的に相手に挨拶をしたらよい」とアドバイスを受けたとします。
アドバイスを聞いたその瞬間は「いい話を聞いた」と思います。しかし普段の生活に戻って、他人に何度か挨拶をしてみるけれども、どうしても小声で挨拶をしてしまい、引っ込み思案になる。
しばらくすると、アドバイスのことを忘れて、いつもどおりの人づきあいをしている。結局、引っ込み思案が変わらない。
そのような状態が起こることがあります。

つまり、その場で納得するようなアドバイスを受けたとしても、普段の生活に戻ると、以前と状態は変わらない。そのようなことがしばしば起きます。このことをカウンセラーは良く知っています。

そのためカウンセラーは1回きりのカウンセリングで悩み事が解決するとは考えていません。何度か通うことでようやく効果が出ると考えています。

このあたりはクライエントとカウンセラーとの間に、大きな認識の差があると私は思います。というのもクライエントは、出来るだけ少ない回数、場合によれば2,3回来談したら問題が解決すると思っていることがあるからです。

カウンセリングは少ない回数では、こころや気持ちが整理できるという一次的な効果は出ますが、そこで止めてしまうと、また同じような悩みが出てきてしまいます。こころの悩みを解決したいのであれば、しばらくカウンセリングに通う方が良い結果につながることが多いと私は思います。

では次にカウンセリングを続けることで、どのような変化が起こるかを説明します。

 

カウンセリングでこころが変わるとは?

カウンセリングを続けることで変わるのは「物事に対する考え方や気持ち」です。これが少しずつ自分のなかで変わっていくことで、悩みが解決していきます。

こころの悩み事とは、カウンセラーの立場からみると、クライエントが「悩み事のパターンから抜け出せなくなっている」ことがほとんどです。
「人づきあいが苦手」という悩みを抱えている人は、「人づきあいが苦手と思う」ような考え方や行動、感情が出やすいです。いわゆる悩みが出てくる「生き方のパターン」を繰り返しています。

しかもそのパターンは、いつも同じようなパターンを繰り返します。「声の大きな人が苦手」「自分の意見を聞かれるのが怖い」など、自分だけにしかない「悩みが出やすいパターン」があります。そのパターンが色々と組み合わさって、自分らしい「生き方のパターン」が出来ています。

もちろん「楽しめる生き方のパターン」などもあります。しかしカウンセリングに来られる方は「悩みが出てくるような生き方のパターン」から抜け出せなくなっているのです。

カウンセリングでは「生き方のパターン」を変えることを目指します。
具体的にはクライエントが抱えている悩みについて、こころの状態を明らかにし、悩みに対してどのような対処をしているのか(悩みのパターン)を確かめます。そして有効な対処策を支えていきます。

対処策は、カウンセラーから提案することもありますが、ほとんどの場合は「クライエントがすでに何か対処策」をとっています。しかし、その対処策が、何らかの事情で上手く効果が発揮されていない。その理由を明らかにして、効果が出るように調整したり、支えたりする。それがカウンセラーの仕事だと私は考えています。

一度調整しただけでは、効果は出にくいです。実際にその対処策を働かせてみないと結果はわからない。しかも少し効果が出たとしても、効果が継続するかも不確かです。
実際には、カウンセリングを通して変わり始めた生き方のパターンによって、少しずつ悩みを乗り越えるための結果が出始めます。それをしばらく続けることで、ようやく継続的に悩み解決の効果が続くようになります。

継続的に効果が出るパターンが身に着くまで時間がかかります。そのためカウンセリングは、何度も通うことになるのです。

この自然とその人に備わっている悩みへの対処する能力は、自然治癒力、自己実現の動きといったりします。その力がどのクライエントにもかならず備わっていると私は思います。

 

効果が分かるにはしばらく時間がかかる

カウンセリングで起きる変化は、始めはゆっくりで、しかも小さな変化です。日常生活のなかでもあまり目立たない変化です。私は一度に大きな変化が起きるよりも、そういった小さな目立たない変化を積み重ねる方が、負担も少なく、副作用も少ないため、良いと思っています。

カウンセリングの基本的な頻度である、1週間に1回程度来談して頂くことは、カウンセラーがクライエントの変化をとらえやすいという利点があります。
毎日起こる小さな変化はクライエント本人にはわかりにくいのですが、1週間に1度出会うカウンセラーからは変化に気付きやすいです。
1週間分、積み重ねられた小さな変化は、前回と比べると大きな変化です。そのためカウンセラーには認識しやすいのです。
そしてその変化をクライエントと確かめることで、クライエント自身も変化を理解できるのです。

「私は変わっていない、カウンセリングを受け続けても意味がないのでは」とクライエントが思っていても、カウンセラーは「ここまでようやく変化してきた」と認識していることもあります。認識の差はカウンセラーとクライエントの間には、よく起こっています。

カウンセリングを受けているとき、自分が変化しているかどうか心配であれば、担当のカウンセラーに相談してみてください。
しっかりとしたカウンセラーであれば、クライエントがどのように変化していっているか、細やかに見てくれているはずです。

カウンセリングを受けても効果が出ていないと感じるときは、一度カウンセラーに確かめることも大切です。カウンセリングとは、クライエント本人が自分の足で変化を確かめながら進むものだと、私は考えています。自分が進んできた道のりを振り返ったとき、ようやく自分が変化してきたことを自覚する人もいるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました