Q40. 年をとってもカウンセリングを受ける意味はあるのですか? 【高齢者・人生相談】

よくある質問・カウンセリングの疑問

年を取っている方でも、カウンセリングを受ける意味は充分にあると、私は考えております。たしかに年を取ると新しいことを身に着けたり、考え方を変えたりするのは、若い頃と比べて大きく時間がかかります。そのため、カウンセリングを受けたところで、大して変わらないのではないか、と思われることもあります。 

また、年齢を重ねると、自分の人生についてもある程度見通しが立ってくるので、「今更悩み相談をする必要はない」とおっしゃる方もおられます。 

しかしながら、カウンセリングは悩み相談や問題解決のためだけに利用する場所ではありません。自分の人生をこころの側面から整理することができます。 

E.H.エリクソンという発達心理学者は、老年期におとずれるこころの課題として「統合」と「絶望」をあげています。自分の人生全体を振り返って「このような生き方が出来てよかった」とまとめあげることができれば理想的です。しかし一方で「自分の人生は失敗ばかりだ」と絶望のまま死を迎える人もいます。どちらの思いを抱えたまま老年期を迎えるかは、その人のこころの在りようによって、大きく左右されるでしょう。 

高齢者のカウンセリングで扱う内容は「これからどのように死を迎えるのか」という未来について話すだけではありません。過去を振り返りながら「どのような人生だったのか」と、生きてきた意味を振り返ることをお手伝いします。 

とくに老年期になると、新しいことをなかなか覚えられなくなる一方で、昔のことをいくつも思い出すようになります。そういったとき家族や身近な人は「おじいちゃん・おばあちゃんがまた同じ話をしている」といって、あまり話を聴いてくれないことがあります。その点、カウンセラーは話を聴くことが仕事ですので、一見全く同じ内容にみえる話(実際は毎回違う話も含まれているのですが)でも、聴き続けることができます。ただしカウンセリングの時間内だけですが。 

たとえ認知症を抱えている人であっても、毎回話を聴いてもらうことで、少しずつ表情が豊かになったり、元気が出てくることもあります。 

カウンセリングではその人の人生を振り返っていくことで、人生とこころを統合していくことに役立ちます。 

Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査

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