Q.37 逃げていいとよく聞くのですが、それでいいのですか。 【トラウマの回避】

いじめ・不登校

不登校とかいじめとかの対応について逃げていいよ、という意見が出ることがあります。 たしかに逃げただけで良いかというと、そうではないと思います。

逃げただけでは問題解決ができないので、逃げるだけで良いかというと疑問が出てくるでしょう。

ではなぜ逃げるようにいうのでしょうか。

逃げるのは自分を守るため(負けではない!)。


それは逃げることで、第一に自分のこころと身体を守るためです。 その意味ではその場から離れるということで、逃げるのはとても大事です。 安全を確保しなければなりません。

しかしながら、安全が確保できて、身を守るだけで良いかというとなかなか現実は難しいです。たとえば学校から逃げて、家で過ごすようになったけれども、ではその後どうするかという課題が遅かれ早かれ出てきます。

それが逃げただけで良いのか?という疑問が出てくる理由だと思います。

逃げたあとのフォローが必須。


逃げただけでは十分ではなくて、そのあとのフォローをきちんとできることが大切です。

大変な状況から逃げることができる人はある一定数いるのですが。そのあとに逃げた状況やそのあとにどうするかまで考える人は少ないかと思います。

周りの人も「逃げられてよかったね」とはいうけれども、では逃げた後どうするかまで考えられている人は少ないです。

逃げなければならない状況とはどのような状況だったか。そのような状況に再び出会わないためにはどうすればいいのか。安定が得られたあと、問題解決に取り組むことになります。

逃げたあとどうするか、というフォローまで考えて支援してくれる人は少ないかもしれません。逃げるという事が、とにかくエネルギーがいることなので逃げるので精一杯です。

しかし逃げたらそこで安心していると、次の「しなければならないこと」が出てきます。逃げたあとに、こころのケアが必要になります。そのときにどうするか。大変な出来事に遭ってしまったその人はだれか支援し続けてくれる人が必要なのです。

カウンセリングはこのような課題に取り組んできました。カウンセリングに来る人の多くは、逃げきったあとの人生をどのように生きたらいいのかを、想像もつかないことがほとんどです。
そしてカウンセリングは、逃げることになった状況を、相談者の負担を考えながら検討していきます。

逃げたときの状況などのような様子だったのか。対処法はなにか考えられるか。
大変な事態への対処能力をつけるには、どうしても時間がかかるし、相談者にとっては負担になる場合もあります。

それでも時間をかけて力をつけて行った人は、逃げるのが上手になったり、そのような目に合う前に避けたり、または逃げずに対応できたりなど、いろいろな対処ができようになります。

災害や事故に遭遇した人のことをイメージすればわかりやすいと思います。まずそのような出来事に遭った瞬間、その危険な状況から逃げて、身を守ることが大事です。

しかし災害とか事故とかが起きたあとに、再発防止の対策をしなかったら結局また同じような事になってしまします。場合によっては次のときには被害を受けさらに悪化する場合だってあります。

ただし、大変なことが再び起きないようにするのは、ものすごくエネルギーがかかります。災害対策見てもわかるように、災害が起きた後の対処を考えると、ものすごく大変かもしれません。

ただしこころの悩みが関わるときには、本人が「対策をやっていきましょう」という気持ちが出てこないと、なかなか難しいです。
しかし、そういったモチベーションをどのように支えるかも全部含めてサポートすることが大切なのです。

まずは身を守るため。次は課題解決をする手立てを考えるために、つまり次の準備をするために逃げるのが良いと思います。

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Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査

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