Q6.カウンセリングを受けることで、何が変わるのでしょうか? 【カウンセリングとは】

よくある質問・カウンセリングの疑問

こころが変わるときのプロセス

カウンセリングを受けることで、こころがどのように変わっていくのかみるために、次のようなケースを取り上げます。

Aさんは、自分と相性が合わない家族について悩んでおり、カウンセリングに来られました。

Aさんは「今まで嫌なことをされてきた」「家族は私のことを考えず一方的だから苦手」などと話されます。しかしながら「家族だから縁を切るのはなかなか難しい」「一応、家族と距離をとろうとするけれども、しばらく経つとまた元のような関係になる」など状況が変わらないとおっしゃいます。

カウンセリングではAさんのように「悩んでいる」けれども「状況が変わらない」という話を聴くことが良くあります。それはAさんのように、クライエント自身が何度も悩んできた内容なのです。悩み事が解結されず、人生の中で繰り返されてきたのです。

ではカウンセリングを続けているとどうなるのでしょうか。

苦手な相手について話しているうちに、クライエントは今までの人生において似たような出来事が何度もあったことに気づき始めます。家族とのあいだだけではなく、学校や職場でも苦手なタイプの人がいて、そこで似たような悩みを繰り返していたことを知るのです。「相手が嫌なことをしてこないか」と悩み、だけれども「状況が変わらない」と思ってあきらめるというパターンの繰り返しが見つかります。

カウンセリングで振り返りを続けていくと、生き方のパターンや悩みのパターンが見えてきます。

Aさんも家族との間で起きたいろいろな悩み事のほかにも、職場での人間関係のことについてなども、カウンセリングで話し合いました。振り返りを何回も続けるなかで、「自分の悩み事のパターンが見えてきた」というようになります。

そういった気づきを重ねるなかで、「相手を変えることはなかなか難しい。それよりも自分の考え方や行動のパターンを変える方が早いかもしれない」という発言も聞かれることが出てきます。

そしてこ「自分のこころのなかにある何かが、その相手を嫌だと言っている」と理解し始めます。自分が今まで失敗した経験だとか、他人にひどく怒られた出来事とか、そのようなこころのわだかまりの存在を知ります。

こころの中にあるひっかかりを知る

カウンセリングを通して、自分のこころの中にある「ひっかかり」に気づき始めると、不思議と、悩みの原因になった「苦手な人」が以前よりも苦手ではなくなったり、その人から伝わってくる「嫌な雰囲気」が減ってきたように感じたりします。それはこころのひっかりが弱まり、こころが変化したことの証だといえます。

カウンセリングで変わるとは、このように「こころのひっかかり」を減らすことといえるでしょう。

カウンセリングを受けて自分のこころを振り返ると、自分のこころのなかにひっかかる「何か」が少しずつ明らかになります。それによって今まで悩んで身動きがとれなくなっていた事態でも身動きが取れるようになります。つまり悩みが軽減して対処ができるようになるのです。

「こころのなかにある何か」を専門用語ではコンプレックスや、認知・行動のパターンと表現します。このこころのなかにある「何か」が変わることが、カウンセリングなのです。

 

 

明らかに相手に問題があるときは?

ただし以上のような説明をしても、次のような疑問を抱かれる方もおられます。

「悩んでいる原因は、明らかに相手が悪いからであって、自分が原因ではない。相手は悪い人であり、問題のある人物である。悩みは自分が原因だと言われているようで、この回答は受け入れられない」

確かに、相手が悪いといえる状況は多くあります。それなのになぜ自分がカウンセリングを受けてなければならないかと憤る方もおられると思います。現実には「相手を変えるのではなく、自分を変えていく」という考え方になるのは相当難しいです。場合によっては何年もかかります。

なぜ今回のような説明をするのかというと、他人を変えようとしても多くの場合は失敗するどころか、あまりに変わらないという状況に傷が深まる結果になることがあるためです。相手を変えるよりも自分が変わる方が現実的な対応であり、安全な作戦であるという理由もあります。

カウンセリングでは誰かへの不満あれば、まずはしっかりと聞きます。もし相手を変えることができるのであれば、変える方法についても検討します。そして変化させられる可能性が高ければ、対処法の実施も提案します。相手や状況が変わることを目標にして、とりあえず取り組める行動をから始めることもあります。

しかし多くの場合は、そのような努力を重ねてもどうしても変化しない事態が出てきます。行き詰まったときの作戦の一つとして「自分が変われそうなこと」は何かと検討するのです。

ただし「自分の考え方を変えてください」といわれて変わる人はほとんどいません。しかし誰かを責めたいこころの裏にある、苦しみや悲しみを抱えてもらったとき、おのずからその人は変わっていきます。

こころの中にある何かと変容の可能性

始めに説明した、こころにある「何か」とは、その人のなかにある現状を変えていくための「成長する力や可能性」だと思います。

大変な状況のなかで何とかしようと頑張っているけれども、結果が出なくて、悩んでいることがほとんどです。

しかし悩みとかかわっていくうちに、こころは成長していきます。こころが成長すると悩み事に何とか振り回されずに対応できるようになる。それがカウンセリングで目指すことなのです。

 

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Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査

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