Q56. メンタルの問題で仕事をやめたいのですが、何か気を付けるべきことはありますか?【うつ・休職】 

よくある質問・カウンセリングの疑問

メンタルの問題が出てきたため、仕事を辞めようか迷っているという相談を受けることがあります。このときに注意したいのは、精神的に悩みを抱えているときは、しんどさに気持ちが集中しており、ほかの内容を考えられなくなっている可能性があることです。 

仕事を辞めてどうするのか、どのように辞めるのかといった具体的な方法について考えるのがしんどいという状態かもしれません。「しんどいから仕事を辞めたい」と考えで頭がいっぱいになっているのです。

このような状態のとき、すぐに行動を移すのは止めておいた方がよいかもしれません。行動に移すのは慎重になった方がよいでしょう。 

ただし、とにかくしんどくて身動きが取れない、切羽つまった状況でどうにか対処しなければならない、というのであれば仕事を休むことが必要です。 

これまでにカウンセリングでいろんなケースを見てきましたが、休みたいときに休めない会社は、会社側に問題がある可能性もあります。会社として休む人のフォローができない状態というのは、すでに人員の余裕が少ない状態かもしれません。そのような会社で働いていると、精神的な負担がかかる状況は続くと予想します。 

またもう一つの側面として、これもよくあることなのですが、会社は本人に休んでも良いといっている、それどころか本人の疲労をみて休むように伝えている場合です。
本人に伝えているけれども、本人が「休んだら周りに迷惑をかける」と思いこんで、休まないケースです。周囲がどれだけ休むように言っても休まない、という頑なな状態のときこそ、その人は休むことが必要かもしれません。というのも精神的に余裕がないときほど、他人の助言を受け入れられないからです。 

このようなときは「あなたは今、無理をしている状態だと思う」「会社としては休んでもらう方が大切だと思っている」ことをはっきりと伝えます。そして休むことによって、本人の評価を下げるわけではなく、また戻ってくることを会社がきちんと保証することが大切です。

やめようと思っているときに気を付けること 

仕事をやめようと思っている人の話をカウンセラーとして聴いているからでしょうか、原因は会社の意向や仕事の内容と、本人の意向がかみ合っていないことが多いという印象があります。ただし多くの場合、本人は「自分が悪い」と思っています。 

しんどくて辞めたい気持ちになっているとき、自分がどのような状況にあるのかを理解するためには、少しその状況から離れる必要があります。一旦仕事を休んだり、会社とは関係のない人に相談したり、カウンセリングを受けることで客観的に状況を眺めることができます。 

そのような客観的にみる時間を増やすことで状況が見えると同時に、こころと身体を休めることができます。休むことで状況を考えるための気持ちの余裕が出てきてから、仕事を辞めたあとの生活をどうするかを考えてもよいと思います。
休んだあとでも、どうしても辞めたいという想いが変わらないのであれば、辞めるという選択肢を選ぶと良いかと思います。すぐに辞めたいという想いもあるでしょうが、辞めることで新しい生活を迎えるなかで精神状態を整えるのは難しいです。それよりも辞めずに精神的に落ち着いてきてから考えるという慎重さを保つことが大切だと思います。 

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