カウンセリングは1回で終わらない?
カウンセリングは通い続けることで効果が出る、という話を聞いたことがないでしょうか。
いわゆる人生相談などで相談内容に対して1回ですばらしい答えを出すのをみたことがあるかもしれません。それと比べて長い時間をかけるカウンセリングについて疑問を持つこともあるでしょう。
しかし、いわゆる人生相談とカウンセリングはまったく異なります。こころの悩みを扱うという点は似ていますが、カウンセリングは1回で終わるということは少ないです。それはなぜでしょうか。
たしかに1回の話だけで、自分が抱えていた悩みの答えや展望がみえて、カウンセリングを終了する方もおられます。ただしそれはとてもまれなケースです。ほとんどの方は短くても数か月、長い方は数年間カウンセリングを続けます。
一応の目安として相談するきっかけになったこころの症状がとりあえず治まるのが、毎週来談していただいて約3か月程度です。そこで終了する方もおられます。続けた場合は半年、1年毎、3年毎に継続するかどうかを検討するタイミングが訪れることが多いです。
カウンセリングで時間がかかるのは、悩みが軽くなるのが最終目的ではなく、悩み事を自分で対処できるようになる力を育てることが目的だからです。
変わりたい思いと変わりたくないこころ
悩んでいるとき、こころの奥には「どうにか変わりたい」という思いと「変わりたくない」という思いがどちらもあります。
たとえば家族との問題を抱えている方に「家族に対して感謝の気持ちを持つのが大切だ」と一見正しそうなアドバイスをしたとします。
いわれた方は「たしかにその通りだ」という思いと「そんなこといわれても、そんな気持ちになれない」という思いが出てくるかもしれません。
結局はすばらしいアドバイスをもらっても、変わらずに家族関係の悩みが続く。とくに悩み事は解決するまで、繰り返し現れるという特徴もあります。
一見正しいアドバイスは、聞いた瞬間は良くても時間がたてば状況はかわらず元通り、ということがよく起こります。
そのためカウンセリングではアドバイスをする代わりに、相談者が抱えている家族への思いや、これまでどのようなことがあったのかという経験などを、時間をかけて振り返り、悩みを解決する力を育てるのです。
カウンセリングに終わりはある?
カウンセリングは1回50分です。その時間内に悩み事を全部話しつくすことは不可能です。そのうえカウンセリングを受けたあと、今まで忘れていた記憶、いわゆるいろいろな思いや人生上のエピソードなどが浮かんできます。それを次の来談時に話すと、またそこから記憶や連想が広がったりします。そのため、なかなか収束しません。
カウンセリングで長い時間をかけて自分のこころを振り返ると、悩みと何度も向き合うことになります。「また同じことで悩んでいるな」「これにはこういう対処ができるかもしれない」など、悩みの見え方が少しずつ変わってきます。
そういった繰り返しの中で、少しずつこころは成長していくのです。
大きく変わるためには、小さな変化の積み重ねが不可欠です。1回で終わらないのは、小さな変化を積み重ねていくためです。カウンセリングは時間をかけて悩みに取り組むのは、そういった事情があるのです。
Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査
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