Q.82 発達障害だと診断されたのですが、どうしたら良いですか?

よくある質問・カウンセリングの疑問

診断名には気を付けよう?

病院で発達障害という診断を受けたあと、どうしたら良いかわからない、という相談を受けることがあります。

そのようなケースでは、私の場合まず病院でどのような診察を受けられたのかを確認します。

理由としては発達障害の正確な診断をするためには、

・成育歴(幼少期から現在までの状態)の詳細な確認
・心理検査等、客観的な指標によるアセスメント

これが最低限必要だからです。

初診で15分ぐらいの診察を行って「発達障害でしょうね」といわれた、という話も聞きます。しかしその程度の短時間でわかるのは「発達障害が疑われる状態」ということでしょう。

短い時間の診察で「発達障害」といわれた場合は、あくまで「疑い」つまり「発達障害の可能性がある」と診断されたと考えるのが、カウンセラーの立場としては自然だと思います。

主治医との間に、この認識のずれがあるかもしれないため確認が必要となります。その後、どう対応するかについては確認が取れてからの話し合いになります。

発達障害は曖昧な言い方?

発達障害とは、いくつかの障害をまとめてつけた名前です。

基本的には、「自閉症スペクトラム障害(ASD)」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」です。
そこに「吃音」「協調運動障害」を入れる場合があります。

これらは診断基準によって名称や分類が変わったりするのですが、基本的にはASD,ADHD,LDを前提に考えるとわかりやすいと思います。

 そのため「発達障害」だと言われたときは「どの発達障害ですか?」と確認する必要があります。
そこで曖昧な返事であれば、まだ正確な状態像を把握できていない可能性があります。必要であれば、心理検査を受けて詳細な状態を把握するとよいでしょう。

大切なのは「どの発達障害か」によって対応が変わるということです。
たとえばASDとADHDは同じ発達障害でも状態像は違います。そのため当然ながら対応も異なります。

本人の状態に合った対応をするためには、正確な診断もしくは適切な状態像の把握が必要です。

診断名とは「支援の方針を立てる」ためのものです。もし主治医から診断を受けたあと「どうすればよいか」という話がなかったときには、対応の方針について尋ねてみてください。

診断を受けたらどうする?

自分が発達障害かどうかを知りたい、という人は多いのですが、「知った後どうするか?」まで考えている人は少ないようです。

「発達障害だとわかった」ことで、それまでに自分の人生で上手くいかなかったことの理由が分かって、少し安堵するかもしれません。
しかし安堵したところで、これまで躓いてきた課題がすぐに解決できるわけではありません。

大切なのは「障害の特徴に合わせた対応」です。「こういった特徴があるから、このように対応しよう」という見通しが大切です。

たとえば「他人の話を聴きとって理解するのが苦手」な人の場合、「紙やメモに書いて内容をチェックしながら話を聴く」と仕事でのミスが減るなどです。

「発達障害の傾向」「発達障害の疑い」といわれた場合も同様です。
それを知っただけでは、悩み事の解決には至りません。
大切なのは「何が得意で何が苦手か」を理解し、それに合わせて「自分が生きやすくなる方法」を見つけることです。

発達障害の疑いがあり、自分の特性について知りたいという方は、一度、カウンセラーにご相談ください。

成育歴や心理検査に基づく報告書の作成なども対応します。そして「自分らしい生きやすさを見つける」ためのお手伝いを致します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました