発達障害を抱えていることがその人の人生にどのくらい影響を与えるかは、その人個人によって全然違います。
これは精神障がいを抱えている人全般に言えるのですが、障がいを抱えていることによって対人関係や生活においていろいろな影響が出てきます。しかしどの程度影響が出るのかは個人によって全く異なっているのです。
そのため私がこのような「障がいを抱えることによって感じる生きづらさ」を訴える方と出会ったとき、次のような質問をすることがあります。
「これまでの人生において生きづらさを感じたとき、発達障害であることが何パーセント程度影響していましたか?」
このような質問をすると、ある人は90%以上影響しているというかもしれません。
しかしある人は「そういわれてみると、障がいであることは30%ぐらいで、ほかのことが影響していることが多かった」という場合もあります。
それほど個人によって、障がいが自分の人生において影響を与える程度が違うのです。
それどころか、そのときの状態や気分でこのパーセントは変化します。
発達障害を抱えている人のなかには、0か100かどちらかしかないという考え方をしてしまう人がいます。しかし0か100かしかないという考え方だと、「これは成功だ、これは失敗だ」のどちらかしかないため、気持ちにゆとりがなかったりします。
そのため生きづらさの何パーセントが発達障害の影響によるものなのかを、丁寧に検討していくこと自体が、こころを楽にすることにつながる場合もあります。そして検討するなかで、発達障害以外にもその人なりの辛さや悩みを抱えている部分が見えてきます。
課題が見えてくることで、解決法を検討することにつながります。そのように生きづらさの中身を整理していくことが、生きやすさを見つける手立てになるのです。
発達障害を抱えている人を取り巻く周りの人がどの程度困っているかというのは、また別の課題です。それについては「Q19. 部下が発達障害かもしれないのですが、どうしたらいいですか?」を参考にしてください。
Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査
mail: office@mitoce.net tel: 06-6829-6856
コメント