Q. 29. 自分の心を守るにはどうすればいいですか。【トラウマへの対処】 

こころの症状

「自分のこころをどうやって傷つきやストレスから守ればいいのでしょうか」

そのような疑問のお持ちの方は、これまでにこころが傷つく体験を重ねてきたかもしれません。
傷つく体験を積み重ねると、人づきあいが怖くなったり、慎重になったり、新しいことに挑戦できなかったりします。

しかし疑問を持っているとき「変わりたい!」という思いが根っこにあると思います。その点も踏まえつつ、この疑問に答えてみようと思います。

こころが守れるとはどのような状態?

傷つくことを避けるために、人づきあいを避けたり、深い関係にならないようにしたりする人もいます。
それどころか外出を全く辞めて、こころが傷つくような状況から離れるという人もいます。

傷つきを避けるというのは方法としては良いかもしれません。しかし、傷つきを避ける一方で、人との交流が取れないので自己否定的な気分になったりします。

「自分を変えたい!」と思っている人のなかには、自分を守りすぎて身動きが取れなくなっている人もいます。

こころを守れるというのは、「守ることができて、しかも傷つくような出来事に対応できる」ことが目標になります。

傷つきに対応できるとは?

「こころが傷つく出来事から、守ることが出来ている」とはどのよう状態でしょうか。

それは全く動揺しない人でしょうか。それとも痛みや不安を全く感じない状態でしょうか。

しかし私の知る限りですが、ストレスや傷つきを全く感じない人はいません。感じていないように外からは見えたとしても、本人は傷ついていることがほとんどです

たとえば人を助けることを仕事をしている人たちは、ストレスに強そうに見えます。しかしレスキュー隊、医療関係者、または軍隊で働いている人たちでさえ、深刻なトラウマを受ける場合があります。
精神的に強いと思われていても、悲惨な場面に出会うことで深刻なトラウマを受けることがあります。その場では平気そうに振舞うことができたとしても、傷ついているのです。

全く動揺せず、痛みや不安を感じないというのはとても難しい方法です。
そのため、こころを守るということを考えるとき、こころに痛みを感じないようするのが目標ではなく、「感じたとしても回復できるようにする」ことが目標になります。

傷つくことがあっても、なんとか自分の安定を取り戻すことができるというのが目標になります。

こころの安定を取り戻す。


安定を取り戻すためには、いくつか方法があります。

  • ストレスを一人で抱えようとしない。
  • 信頼できる話し相手や相談相手を見つける。
  • 自分が日常的に行っている習慣的な行動を大切にする。
  • しっかりと休みを取るようにする。

などです。

こころの安定が失われ始めると、人と関わるのがつらくなったり、普段通りの行動ができなくなったりします。
一方で気持ちが高ぶって「休むことはいけないこと」という思いも出てきます。

どちらにしてもこころの安定を失うと、いつも通りのことができなくなってきます。
安定を取り戻すのが目的ですので「いつも通りの自分の生活」を守ることが大切になります。

一度に安定を取り戻す必要はありません。
しんどいことがあったとしても、徐々にいつも通りの生活が取り戻せるようになってくると、こころもいつの間にか安定し始めます。

こころの安定を取り戻せたという経験は大きな経験になります。
安定の回復は自分では「良く分からないけれども。いつの間にか普通の生活に戻っていた」と感じるかもしれません。

しんどくなるけれどもそのあと回復出来て安定したという経験が「なんとか対処できた」という自信につながります。その経験の積み重ねが、こころの強さにつながると思います。

「何とかやっていける」という自信を身に着けることが、自分のこころを守ることの正体かもしれません。

 

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