Q23.子ども(家族)を虐待しそうです…。【虐待・世代間連鎖】

よくある質問・カウンセリングの疑問

カウンセリングの場面でこのような質問があったとき、カウンセラーとしては慎重に状況を確認します。

「虐待しそう」と言っているけれども、実はすでに虐待に近いことをしてしまっているケースもあるためです。

「虐待しそうということですが、どのような状況でそう思ったのか詳しく聞かせていただけますか」と確認をします。法律上は虐待をしている場合は、通告義務があるのでそれについても説明します。

こういった虐待が疑われるケースでは、相談者が「こんなことを話してしまって大丈夫だろうか」と罪悪感や不安を抱いていることがほとんどです。
セラピストは虐待について聞いたとしても、本人やその家族、身近な人が不利益を被ることを望みません。

セラピストとして、通告義務はあるのだけれども、何よりも相談者の利益になることを望みます。今後、どのように対応していくか、相談者と一緒に考えるという方針を選びます。

実際にはしていない場合。

または「虐待をしそう…」という思いはあるけれども、実際にはまだしていない場合も考えます。

そのような場合、虐待をしそうになる相手(子どもや家族)との関係性について伺います。

虐待をしそうというのであれば、相手との関係において怒りや不安があるかもしれません。生活全体をみると、何らかの行き詰まりが起きている可能性があります。経済状況が悪い、子どもを養育するための人手が足りない、子育てをどうしたらよいのか、知識を伝える人が周囲にいない、家族が孤立しているなど。

まずは気持ちの整理だけではなく、何が起こっているのか状況を整理することが、とても大事になってきます。そのうえで何ができそうなのか、気持ちの整理や関わり方、状況をどう変えていくかについて検討していきます。

虐待を受けてきた人の場合 

さらにまた別のパターンもあります。それは「虐待しそう…」という思いの背景に、その人自身が虐待を受けてきた経験があるという場合です。

虐待を受けてきた人の多くは、自分には他人とは違う何か悪い部分があるのではないか、他人よりも劣っているのではないか、という自己否定的な考えを持ちやすいです。

そのような考えを持ちながら、子どもや家族を持ったときに「私も虐待をしてしまうのでは」という思いが出てくることがあります。

虐待を受けた人が、自分の子どもにも虐待をしてしまう事態を、虐待の世代間連鎖といいます。虐待を受けたすべての人が虐待をするわけではありません。
しかし虐待を受けていた人たちは「私のなかにある悪」に敏感になっているため「虐待をしてしまうのでは…」と不安になる場合があります。

こういった場合、相談に来られた方は「自分の中にある悪」(ある意味で埋め込まれた悪、傷つき体験ともいえますが)と対峙して、どうにか変わっていきたいという思いがあるともいえます。

そういった方が来談された場合、こころの傷に対するカウンセリングを行うことになります。

虐待の相談をする方は、何らかの孤立した状況にいることが多いです。まずはその孤立がどのような状態なのかを確認して、つながりを作ることが第一の目的になります。

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Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査

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