カウンセラーをどのように選ぶのか、というのは皆様が悩まれることです。今回は料金や場所といった条件は同じという場合、どのようにカウンセラーを選ぶのかを考えます。
私が選ぶ基準を上げるとしたら、ひとつは学派の違い、もう一つはカウンセラーとの相性です。
まず学派の違いとは、そのカウンセラーがどのような方法のカウンセリングをするかです。
一般的には、具体的にどのように考えて行動すればいいのかを相談したい、という方は認知行動療法を選ぶことが多いようです。最近は認知行動療法をするカウンセラーが増えています。
または自分の人生を振り返りつつ、自分のこころを深く掘り下げて考えたい、という方であれば力動的、深層心理学的な学派を専門としているカウンセラーを選ぶとよいかもしれません。
さらに学派と似た基準として、そのカウンセラーがこれまでにどのような領域で働いた経験があるかも目安の一つです。
精神科領域で働いてきたカウンセラーは、精神障害として精神病やうつ病を抱えている人の対応や、心理検査を行うのが得意といえます。スクールカウンセラーを経験していると、子どもとの関わりや親の相談、教育機関との連携が得意でしょう。
ただしこれらはひとつの目安です。認知行動療法をしているカウンセラーであっても、人生を掘り下げて検討することもありますし、深層心理学を専門としているカウンセラーも、具体的なアドバイスをする場合もあります。
スクールカウンセラーをしていても、心理検査に長けた方もおられますし、精神科領域でも当然、親や色々な機関との連携が必要です。
そのような事情もあるため、もう一つの基準であるカウンセラーとの相性が、カウンセラーを選択するときに大切になります。
カウンセラーとの相性を知るには、会ってみないとわからないです。事前にホームページなどでこのカウンセラーは良さそうと思っても、実際に会ってみるとそうでもなかった、ということはあります。または事前の情報ではそれほど良いと思わなかったけれども、会ったらとても相性が良かったということもあります。
「会ってみた時の相性の良さ」をどこで判断するかというと、「この人なら、安心して話ができそう」「自分の話を理解してもらえた。もう一度会いたい」と思えるかが基準になるかと思います。
カウンセリングはカウンセラーと来談者が協力して、こころの問題に取り組むことになるので、「この先、一緒にやっていけそう」と思えるかどうかがとても大切な判断基準になります。どのような人となら、一緒にやっていけそうと思うかは個人によって異なるので、そこは会ってみての相性としか言えないのです。
当然ながら、ある程度、実力のあるカウンセラーですと、来談者に合わせて話を聴いてくれますので、相性について心配しすぎる必要はないかもしれません。
ですがどのようなカウンセラーにカウンセリングを受けるかは、とても大切なことなのでまずはカウンセリングを始める前に「どのようなカウンセリングをするのですか」と質問して確かめると良いと思います。
Q5.2 最近は認知行動療法ということを良く聞きますが、他の方法でも効果があるのでしょうか。
認知行動療法は具体的な課題設定と治療プロセスがあるため、効果の検証がしやすいという特徴があります。そのため「効果の出る心理療法」として印象が広まったという経過があります。しかし最近は力動的な心理療法についても、効果があるという研究も出始めているので、単純にどちらが優れているとは言い難い状況になりつつあります。
今回の質問と合わせて考えると、カウンセラーの立場からすると、まずは明確な症状や悩みがあって、具体的な方法で取り組みたいという方は認知行動療法を選んでもよいかと思います。
そういった認知行動療法のような方法論よりも、とにかく話を聴いてほしい、そのなかで自分の生き方などを振り返りたい、という方は深層心理学的なアプローチが合う場合があります。
とくに他人からは健康に見えて、仕事もできていて、しかも症状としては何か出ているわけでもない、しかし実は本人が深く悩んでいるという場合もあります。
そのような方は、症状がそれほど出てきていないので、だれかに相談することが少ないのですが、こころの中では深く悩み、孤独を抱えていることもあります。そういった人たちのこころを汲み取り、居場所を確保するのもカウンセリングの役割です。とくに深層心理学では、そのようなケースを扱ってきた歴史があります。
Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査
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