このような質問を頂いたとき、カウンセラーとして私は次のように考えます。
誰かに話を聞いてもらいたい、という思いをお持ちかもしれない。またはもう誰かに話を聞いてもらったのだけれども腑に落ちなかったのかもしれない。「私の悩み事は話を聞いてもらう程度では、良くならない深い問題があるんだ」という思いを持っておられる可能性もある。または「これまでに人に話を聞いてもらったけれども、それで良くなった経験がない」かもしれない。
このように質問の背景にどのようなことがあるのかを考えながら話を聴きます。
相談者にとって「よくなる」とはどのような状態なのでしょうか。「悩みが解決する=よくなる」わけではないときもあります。
そこでカウンセリングでは、始めに相談者本人がどうなりたいのか、いいかえれば「良くなるためにカウンセリングでは何ができるのか」を確認します。本人との話し合いを通じて、本人が目指している「良くなる」状態を少しずつ明らかにしていきます。
この「目標の見つけ方」や「気持ちや考え方を整理する」といった作業を一人でするのは難しい場合があります。カウンセラーは本人の話を聴いたあと、質問を返して少しずつどのような思いを抱いているのかを整理していきます。
カウンセラーが手伝うことで、こころの悩みが整理され、課題に取り組みやすくなります。そのような作業を繰り返していくことで、相談者の「自分で自分の悩みに対処する力」を育てていくのです。
このような背景があるため、簡単には「話をするだけで良くなる」と言い切れません。それどころか悩みの原因が残ったままカウンセリングを卒業する場合さえあります。
「悩みの原因は変わらないのだけれども、自分なりにどのように対応したら良いかわかってきた」という方もおられます。
カウンセラーは、相談者の悩みにこころの側面からアプローチをします。ただ話を聴いているだけのようにみえても、カウンセラーもこころのエネルギーを使っています。
自分の思いをこころの底から共感して聴いてもらったとき、人はこころが大きく成長します。
カウンセリングの目的とは、こころに寄り添ってもらう経験を通じて、こころを育てることだといえます。
Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査
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