Q.79 発達障害の人にどう対応したらよいのですか?

よくある質問・カウンセリングの疑問

 

 

プロのカウンセラーが良くある質問についてお答えします。

発達障害を抱える人への対応について企業や事業所、障害支援をしている支援者の方々から質問を受けることが多くあります。
今回は、発達障害を抱える人にどのように対応すれば良いのか、支援スタッフ向けに大切なポイントを簡単にまとめました。

発達障害とは?

発達障害は基本として3種類(自閉性、注意欠陥多動、学習障害)。厳密には「発達障害」と「発達障害のような人」は違います。一般的に「この人発達障害かも」というのはほとんどが後者です。
ただし特徴として両者とも「自分の考え方優先(強いこだわり)」「コミュニケーションが苦手」「不器用さ」などが目立ちます。

 

発達障害の押さえておくべき特徴

発達障害の特徴は幾つかありますが、支援をするときに押さえておくべき点はこの2つです。

  • できること、できないことの差が大きい(できないことを「してください」といわれるとフリーズする)。

  • 失敗経験が多いため、自尊心が低い。劣等感が強い。

 

「できること、できないこと」への対応

できることと、できないことについて主な内容を列挙します。

  • 「自分で考えてください」は苦手。具体的な選択肢から選ぶのはできる。

  • 「自分で好きな色を塗って下さい」は苦手。色見本を提示して「このどちらかを選んでください」はできる。

  • 「自分で考えて工夫してください」という作業は苦手。「手順をこうすると完成します」と、マニュアル通りに作るのはできる。

  • 「相手がどう思うか考えてみて」は苦手。「あなたの言葉(行動)は相手にこのような意味として伝わります。なので「○○」と言って下さい」は理解できる。

  • 「自分で予想して動いてください」は苦手。「この時は、こうなる可能性が高いのでこのように行動してください」はできる。

  • 「具体的にどう対応したらよいのか」「その結果、具体的にどうなるか」を教えてもらうと、その行動ができるようになる。

  • ただし、個人によって能力の差があるので「発達障害の人だったら絶対に得意」というものはない。

 

作業をしてもらうときの工夫

具体的に何をするのか課題設定をしていると取り組みやすいです。本人評価が極度に低いときがあるので、客観的評価と照らし合わせて、達成度を確認すると良いです。本人評価とスタッフ評価に得点差があるときは、認識の違いを確認してください。
具体的な手順と「この時はこの行動をする」というスケジュールを決めておく必要もあります。
例外や突発的な事態が起こることを避けてください。対処できないか、場合によってはパニックを引き起こします。パニックになったとき、感情的になったり、暴れたりするなどは少なく、多くの場合は「黙って動かなくなる」「なんとなく不機嫌になる」という形で表れます。

 

劣等感への対応と成果の確認

「他人からどうみられるかを考える」「他人のことを見て学ぶ」のどちらも苦手です。「他人を行動や考えを参照する」力が弱いです。
「他の人が普通にできていること」であっても本人にとっては「どうしてそうなるか、できるのか」がわかりません。
その結果として「みんな出来ているのに自分だけできないダメな人」という劣等感が強まる経験や失敗体験を重ねています。

 

支援の方向性として抑えるポイント

支援の方向性として以下の二つが重要です。

  • 「これが出来るようになった」という成功体験。

  • 「誉めてもらった」「受け入れてもらった」という承認された体験。

成功と承認のどちらも「具体的な内容」であると本人も受けいれられます。

 

支援の難しさと対応の工夫

発達障害を抱える人への対応は、「何が得意か」を本人とスタッフや支援者が理解することから始まります。
支援上の失敗のほとんどは「できないことをさせようとしたこと」が原因です。対応に成功している支援では「できることに焦点づけて、長所を伸ばす」が出来ています。
社会適応上、身に着けておかないといけないスキルについては「本人が理解しやすいように、スタッフが工夫する」必要があります。つまり「本人が理解して、作業が出来るようになる」方法を見つけることに、スタッフは労力を注ぎましょう。

「本人に気づきを促す」「主体性を引き出して育てる」という一般的な教育方針は、役立たないです。
発達障害を抱える人は「できることを見つけるまでに時間がかかる」「できるようになると急に能力が伸びる」というパターンが多いです。
「伝えた内容を正確に理解できているか」「教えた行動(作業工程など)が再現できるか」を本人と確認しながら取り組んでください。

 

発達障害を抱える人への対応のまとめ

発達障害を抱える人への対応は「その人は何が得意で苦手か」「本人が何に対して劣等感を強く抱いているか」の把握が大切です。
これらを把握して具体的な対応をすると成果が出ます。「成果が出る、出ない」がはっきりと分かれるのが発達障害を抱える人の支援をしたときの特徴です。

目標としては本人自身の特性に対して、本人も支援者も、どのように対処したらいいのかわかる「自分対処マニュアル」を作ることです。
個人によって得意苦手の差があるので、関わり始めは特徴がつかみにくいですが、慣れてくると「この人は言葉を聴くのは苦手だけど、図を書いて説明すると理解できる」「自ら話すのは苦手だけど、内容は理解してる」など、その人の特徴が分かってきます。
何が得意か苦手かは、本人との話し合いと、行動を観察を通して見つけることができます。
心理検査(知能検査)によって能力の把握も可能です。ただし検査費用として実費がかかります。

以上は大まかなまとめですが、上記内容について詳細を確認したい、もしくは個々のケースについての相談などがあれば、専門家にご相談くださいませ。

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