不登校になっている子どもにどのように対応すればいいのか、いろいろなアドバイスを聞いたことがあるかと思います。
実際にカウンセリングを行っている立場としているのは、ケースバイケースであり、単純に「これが正しい」といえることがありません。申し訳ないのですが。
ダメだと言われる対応であっても…。
カウンセラーがこのようなことを言うと驚く方もおられるかもしれませんが、正直に言うと、子どもが「学校に行きたくない」と言っているときに、「そんなことに言わずに学校行きなさい」といわれて学校に行けるようになる子もいます。
学校に行きたくないと言っている子ども全員に同じ対応をする必要はないのです。
一方で「学校に行きたくない」と言っている子どもに、「どうして学校に行きたくないのか」をしっかりと聞くことが大切な時もあります。
本人は理由を説明しないけれども「なんとなく行きたくない」と言うときもあります。
「不登校の子供にはこう接しましょう」という一方的なアドバイスには問題があるかもしれません。
それは「行きたくない」「行けない」という気持ちには、ケースバイケースがあるからです。
その子どもの気持ちやこころの状態、体の調子、性格や環境、友だち関係、学校の様子など、行きたくないということが起こってくるのに、いろいろな要因があるからです。
そういった「行きたくないいろいろな事情」を考えずに「こうすればいい」というアドバイスは、まとはずれの場合があります。
子どもによって、不登校になる理由は、それぞれ違います。しかしそれを考えずに「不登校ならこうしたらいい」というマニュアル的な対応を、周りがしようするところが一番の問題だと思います。
マニュアルに頼りたい気持ち。
「困ったことが起きたときにこうすればいい」。
マニュアルに頼りたくなるのはこころの動きとしては当然なのですが、学校に行きたくない本人としては、そのような対応は嬉しくないです。それどころか、マニュアル的な対応をされると余計に不信感が出てきて、行きづらくなることもあります。
休み始めてから、すぐに行けるようになる子もいるし、時間がかかる子どももいます。大切なのは状況は常に変わる可能性があるということ、本人と一緒にどうしたいかを考えることです。本人にとって、自分の味方だと思える人を作ることがまずは大切です。
そのため対応する大人は、子どもと信頼関係を作るのがまずはスタートになります。それはマニュアル的にどうしたらいいかというよりも、個別の事情によって異なります。
しっかりと本人の思いを支えることが信頼関係の始まりになります。本人の思いを考えて、「こころに何が起こってるんだろう」と見守る心構え出てくることが大切になります。
Q30-1.こういった対応を家庭に求めたとしても、親に余裕がないとできないのでは。
たしかに親には余裕がないことがあります。まず一番大切なのは親だけで抱えようとせずに、親も味方を作ることです。つまり家族全体の支援者を作ることが大切になります。学校や地域の人たち、または友人や親戚も支援者になる可能性があります。
親が助けを求めて、カウンセリングに来られることもあります。子どもは来ないけれども、かわりに親がカウンセリングを受けるということもよくあります。親の対応が変わることで、結果的に子どもが学校に行けるようになったというケースもあります。
私たちのようなカウンセリングルームを利用する利点も最後に説明しておきたいと思います。
親がよく悩まれるのが、不登校のあと学校は卒業したけれども、ひきこもりへと移行したケースです。
学校を卒業すると、今まで支援をしてくれていた先生たちとの関係が切れてしまうことがあります。
学校にいるあいだは、担任の先生やスクールカウンセラーとも関わっていたけれども、卒業した後は継続的にかかわってくれる人が少なくなったという相談を受けることがあります。
そういった場合に備えて、カウンセリングオフィスに通っていると、学校卒業後も引き続き同じカウンセラーと関係を続けることができるという利点があります。
とくに不登校やひきこもりになる子どもたちにとって、新しい対人関係を結ぶのはハードルが高いので、同じカウンセラーに受け続けられる環境というのは、安心できるかと思います。
不登校が長引いているときには、親もどう対応したらよいのか、わからずに気持ちとして孤立し始めます。そうなると誰かに相談するのも面倒になってきたりします。
まずは早めに支援をしてくれる人につながること。そして継続的にかかわってくれる人を見つけることが大事です。関わる人が増えるほど、解決法が見つかってくると私は考えています。
Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査
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