Q16. カウンセリングでマインドコントロールされそうで怖いです。【カウンセリングとは】

よくある質問・カウンセリングの疑問

カウンセリングはマインドコントロール?

カウンセリングで「カウンセラーにこころを操られるのでは?」という心配をされる方がおられます。
たしかに実際のカウンセリングについて知らない方がほとんどなので、そのような不安が出てくるのも当然でしょう。
またカウンセリングのように自分の内面を話すことは、弱点を相手に見せるようなことなので、それを悪用されないか心配する方もおられるでしょう。

そこで今回は専門家の行う心理カウンセリングと、マインドコントロール違いについて説明します。これを知ることでマインドコントロールから身を守ることにもつながるという利点もあります。

カウンセリングとマインドコントロールの違い

マインドコントロールとカウンセリングを区別するために「カウンセリングではしないこと」をいくつか挙げていきます。いいかえると、マインドコントロールを企む人が、どのような文言を使いやすいかもわかると思います。

1.「カウンセリングを受けないと悪くなる!」などの脅し文句

カウンセリングは、クライエントの意思で受けるかどうかを決定することができます。そのうえカウンセリングは相性があるので、絶対に良くなる、悪くなるということはできません。
カウンセリングの専門家は「カウンセリングを受けて良くなる人もいる」と慎重な言い方をします。それを「頼りない」という人もいるのですが、専門家からすると「絶対に良くなる」という人の方が逆に危険です。

2.「特別なセラピーがあるので」などと、追加料金を求められる

カウンセリングは基本的に1回の料金が決まっています。心理検査のほかには追加料金をもらうことはありません(心理検査を受けても、追加料金がない場合もある)。そのため「このグッズを買えば」「このセミナーを受ければ」「別の特別なセラピーがあって」別料金を請求するといったことはありません。1回の面接料金以外に、追加料金を請求する場所は注意した方が良いでしょう。

3.「あの人もこのセラピーを受けて良くなった」など有名人の名前をあげたり、「みんなもしている」と仲間意識を植え付ける。

カウンセラーには守秘義務があるため、具体的にどのような人が来談しているのかを他人に漏らすことはありません。クライエントに「私のところには○○さんが通っている」と話すカウンセラーは、倫理的な意識が低い人だといえるので注意が必要です。「○○さんなど、みんなも受けている」というのも同じく、守秘義務に反する可能性があります。そのため有名人の名前を言ったり、「みんな」を強調するカウンセラーは、何か下心があるのではと疑っても良いでしょう。

4.「あの先生はとてもすばらしい」とカウンセラーを理想化し、批判を許さない

カウンセラーは聖人でも、立派な人物でもありません。こころの専門家ではありますが、あくまで専門知識と技能を持った「ただの人」です。またクライエントとして納得がいかないときには、きちんと批判できる関係性がカウンセリングでは大切です。批判を許さないという態度は、カウンセラーとしては失格といえるでしょう。

5.「あなたはここに必要な方だから」と離れることを阻止し、引き留めようとする。一方で、家族や友人とのつながりを断とうとする。

カウンセリングは「辞めたいときには辞められる」「受けたくないときには受けなくていい」という、クライエントの主体性を大事にします。クライエントが去るときには、引き留めないこともあるので、かなりドライな関係性です。
カウンセラーとの関係は、数多くある人間関係のひとつであって、唯一絶対の素晴らしい関係ではありません。カウンセリングを続けると、家族関係、友人関係を切るよりも、むしろ、いろいろな人間関係に開かれていくというプロセスをたどることが多いです。

怪しいカウンセラーを避けるために

カウンセラーの職業倫理に「自分の利益のためだけにクライエントを利用しようとしない」があります。マインドコントロールのように、クライエントを「自分の利益になることを目的に利用する」ことはしません。こういった基本的な職業倫理を身に着けていることを保証するものとして、臨床心理士などの公的な資格があります。

マインドコントロールをしようとするカウンセラーを避けるためには、どのような人物であるかを見極めることが大切です。

初対面で人当たりが良くて優しそうに見えても、それだけで判断するのは待った方が良いと思います。マインドコントロールを試みる人たちも、始めは人当たりが良く、やさしい態度を示します。

しばらく話をして「悩みを解決するのにはこの方法しかない」とか「その方法をしないと大変なことになる」「今辞めると不幸がやってくる」など、言葉の端々に脅し文句が入っている場合は、警戒が必要です。先ほど説明したような5つの特徴がみられた場合、私はそのカウンセラーの継続は勧めしません。

適切なカウンセラーは、決めつけをしないかわりに「こころの悩みについて、どのようにすればいいのか」いくつかの選択肢を提案します。クライエントの理解や成長のペースに合わせられるのがカウンセラーです。そしてカウンセリングの限界も提示し「ここは分かるけれども、ここは分からない」と謙虚さを持ち合わせているのが、良いカウンセラーです。
マインドコントロールをしようとするカウンセラーほど「これはこうだ!」「全部これで解決する」という決めつけの言葉が多いです。

カウンセリングでマインドコントロールされるのではと心配な方はご注意下さい。カウンセリングはクライエントの主体性を大切にするアプローチです。マインドコントロールとは異なり、自分自身で冷静な判断が出来るようになることを目指すのがカウンセリングです。

 

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