相談するのが苦手
何かあったら他人に相談したら良いと思うのですが、どうやって相談したらいいのかわからない。
そもそも、相談する内容なのかどうかわからない。
このような悩みを抱えている方がおられます。
一方で世の中には、相談上手の人がいます。
少し困りごとがあったら「〇〇さん、教えてください。どうしたらよいですか」と聞く人。「ちょっとしんどいので、助けて頂いてよいですか」と他人のサポートをお願いするのが上手。
そのような方々は「困ったら誰かに相談した良いんだよ、助けてもらえるといいます。
こういった相談上手の人たちを見ながら、相談が苦手な人は「もっと相談した方が良いのかもしれない。でも、どうしたら良いかわからない」と悩むのです。
相談するのが苦手な人たち
相談するのが苦手というのはどのような状態なのでしょうか。
そういった方々の話を伺っていると、いくつかの特徴が見えてきます。
・自分の内面を語ること、助けを求めることが恥ずかしいので遠慮する。
・助けを求めると、相手に負担をかけてしまうのではと思って、躊躇する。
・相談したところで、たいした答えが見つかるわけではない。相談しても問題は解決しないだろう、という諦めの気分。
・相談しても最終的に行動するのは自分。だから相談しても意味がない。
つまり相談することは、「自分にとっても相手にとってもプラスにならない」という前提で考えているようです。
では、だれかに相談できることによるメリットとは何でしょうか?
相談することのメリット
・自分一人で考えるよりも、考え方が広がる。知らなかったことを教えてもらえる。
・ひとりで抱えていた悩み事を相談することで、精神的な負荷が少し減る。
・ひとりで課題を解決するよりも、複数の人で取り組む方が問題が早く解決する。
・ひとりで取り組める仕事の量には限界があるので、他人と協力することで、できることの幅が広がる。
・失敗したとしても誰かに相談できるので、ひとりで責任を過度に負わなくて良い。事前に相談することで、失敗のリスクを減らすこともできる。
などがあります。
ほかにも他人に相談することへのメリットはあるでしょう。
では、カウンセラーという立場から考えると、他人に相談ができる、相談できないとは、心理的にはどう考えられるのか次に説明していきます。
相談することが必要でしょうか?
相談ができない、ということを悩んでおられる方に対して、カウンセラーとしては安易に「相談ができるようになること」を目指しません。
というのもカウンセラーの目的は、「その人がその人らしく生きること」が基本にあるからです。
つまり相談ができるようになるのを目指すか、ならないままでいるかは、本人のこころ次第です。
相談ができるようになることが、明らかに良い方向につながるのであれば、相談ができるようになることを目指す。
しかし誰かに相談したり、誰かに自分の考えや思いを伝えることが過度の負担になる。それよりも、ひとりで過ごしている方が、自分の人生を豊かに過ごせる。そういったタイプの人であれば、相談することがかえってマイナスになる場合もあります。
もちろん、危機的な状況にあるときには相談した方が助かる場合もあるので、最低限の連絡先は確保しておくのが良いでしょう。しかしそれ以外では、相談せずに一人でいることが大切な場合もあるのです。
まずは自分にとって、どのような過ごし方が良いのかを知ることが大事だと言えます。
カウンセリングに相談することをためらう人
もしカウンセリングに来て「誰かに相談するのが苦手」という悩みを話す場合はどうでしょうか。
本人も気づいているかもしれませんが、相談が苦手と思っているのに、カウンセリングに「相談に来ている」のです。
つまり、その人は「私は相談が苦手」と考えているのですが、本心としては「相談が出来るようになりたい」むしろ「相談したい」という強い思いがあるのかもしれません。
こういった場合には「どのようなことを相談したいと思っているのか」「相談が苦手というけれども何に対して苦手だと思っているのか」など、「相談に対する苦手意識」を深堀りしていくという対応になります。
まとめると、相談が出来るかどうかについて悩んでいる人は、自分が相談できるようになれば、どうなると思うか想像してください。
相談することで楽になるのであれば、相談できるようになるのを目指す。
だれかに「相談できるようになればいいよ」といわれたけど、ひとりで居る方が楽なのであれば、急いで相談する必要はない。
どうしても相談する必要があるときは、相談内容に合わせて相手を選んで相談してみる。
カウンセリングに相談してみたいという方の場合は、遠慮なく相談に来ていただければと思います。
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