こういった意見をSNSで私も読んだことがあります。
実際にカウンセリングを受けた方の感想も含まれているので、実際に何があったのかを確かめてみないと正確なことが言えないのですが。私なりにこういうことがあるのではと推測しながら考えていきます。
カウンセラーの仕事
このような意見が出てくる背景には、厳しいかもしれませんが、ひとつはカウンセラーの側にも何らかの課題があるのではと考えます。
カウンセラーの質が相談者が求めるレベルに対して、まだまだ不十分だという意見は、カウンセリングを受けた側からも、カウンセラーを養成している立場の人からも耳にします。
カウンセリングは「ただ話を聴いているだけ」のように見えるので、あまりスキルという面に注目されにくのですが、カウンセラーによってかなり能力の差があります。
当然ながら、スキルが充分ではないカウンセラーに会ってしまった場合、カウンセリングの意味がなかったという体験になるのは当然かもしれません。
このあたりは、カウンセラーのひとりとして大変申し訳ないと思います。 また私も自分の力がどれほど足りているのかと、反省しなければならない部分です。
カウンセリングへの過剰な期待
もう一つは、カウンセリングに対して過剰な期待をされているという場合があります。
カウンセリングを受けることで自分の悩みが一気に解決できて、しかも1回か2回ほど通ったら結果が出ると考えておられる方もあります。
そのような期待を持ってカウンセリングを受けた場合、「何回も通っているのに、効果がない」と思われるかもしれません。
カウンセリングには、そのような魔法のような力はありません。通い続けるなかで徐々に悩みが解決していくのがカウンセリングです。
実際には、ある悩み事やこころに関する何らかの状態が出てきたときからカウンセリングを始めて、週1通って少なくとも3か月はかかるのが目安だと思います。場合によっては数年も通う方がおられます。
そのため、結果が出る前に辞めてしまっている可能性も考えられます。
ただしその場合も「カウンセリングは結果が出るまで時間がかかります」という説明を初回にカウンセラーがする必要があると思います。カウンセラーの質というのがここでも問題になってきます。
カウンセリングでは扱えない問題の場合
カウンセリングで扱う問題とは違う相談が持ち込まれた場合も考えられます。
たとえば体が痛いのにカウンセリングでどうにかしてくれといわれたときには、医師の診察を受けてもらうのことがまずは必要だと思います。身体の問題だけではなく、福祉や法律などそのほかの専門家に相談して頂いた方が良い場合もあります。そういったときには、こちらから、ほかの専門家に相談するのではなく、なぜカウンセリングを受けに来たのかを尋ねます。
その結果として、身体の診察を受けたけれども解決しなくて「それはこころの問題ですよ」と言われるかもしれません。そういったケースではカウンセリングの対象になります。
自分の相談事がカウンセリングに向いていなかったのに、思っていた結果が出なかったため「カウンセリングは効果がなかった」という場合もあるかもしれません。
ただしこのときも、結局カウンセラーが説明しなければならないので、相談に来た人が「効果がなかった」という不満を抱くのは、カウンセラーの責任だと思います。
効果がないと言いたくなるとき
カウンセリングを受けるときには、これでようやく自分のこころの悩みが解決するかも、という大きな期待と不安をもって、相談者は来られます。
「どのような期待を持っているかを確認する」「カウンセリングに対する不安をくみ取る」これをカウンセラーが出来ていない場合、相談者から「効果がない」という意見が出てくるかもしれません。
このように考えてみると、カウンセラーの対応によって批判的な意見が変わったかもしれないと私は思います。それは同時に「自分も相手が効果を確かめられるようカウンセリングができているだろうか」という反省にもつながります。
ではカウンセリングを受けることで効果があるのでしょうか。カウンセリングが扱える範囲の課題については、しっかりとしたカウンセラーにカウンセリングを受けることで、効果が出る可能性が高いといえます。
ただし「どのような状態を効果が出たと言えるのか」については、ケースによって異なります。そこはカウンセラーと相談者が互いに確かめて、共通認識を持つことが今後の課題だと思います。
Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査
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コメント
[…] この内容についてはすでに以前のQ.48で取り上げた「カウンセリングの効果が出る人、出ない人」とつながる内容ですので、まずはそちらを参考にしてください。 […]