カウンセラーがメンタルを病んだらどうするか、というのはかなり難しい問題です。
私個人の意見かもしれませんが、「カウンセラーはこころの専門家だから、メンタルを病んだら何とか自分で対処しなければ」という思いが出やすいと思います。また、周りの人からも自己解決を求められるという側面もあるでしょう。
「自分のこころの課題を対応できないのに、相談者のこころの悩みに対応できるのか」とみられるかもしれません。そのあたりは、その通りだといえる部分もあるので、単純には否定できません。
しかしながら、カウンセラーとしての経験上、人間はこころの悩みについて、自分ひとりだけで何ともできないことがあるのもよく知っています。
では実際に、自分のこころの悩みを抱えてどうしようもなくなったら、どうするのでしょうか。
教育分析を受ける
私は対処法のひとつとして、教育分析を受けることがあると思います。教育分析とは、カウンセラー自身がカウンセリングを受けることで、自分のこころに起こっていることを把握していくための訓練です。
教育分析とカウンセリングを受けることにどのような違いがあるかというと、内容としては同じという人もいます。しかし教育分析はカウンセラーになるための訓練であり、そこで体験したこと、学んだことをどのように実際のカウンセリングに活かしていくかという目的があります。
そのためカウンセリングを受けるときよりも、技法を身に着けたり、理論的に考えるための準備という側面があります。カウンセリングを受けるときは、それほど技法や理論を気にしないと思います。
ただし話をしながら、こころの動きについて理解していくのは同じなので、教育分析とカウンセリングには差がない部分もあるでしょう。
カウンセリングの目的は、本来は悩みを解決することではなく、自分自身で悩み事を解決できるような力をつけるために行います。
教育分析を受けたときも同じく、自分の悩みを対処していく力が身につくので、その点も似ていると言えます。
カウンセラーが自分自身の悩みに対処するとき
そのような事情を考えると、こころの悩みを抱えたとき、カウンセラーはまずは自分の知っている技法や理論の範囲で対処できるなら対処するでしょうし、「これはお薬が必要かな」と思ったら病院に行くかもしれません。
対処ができないような問題が出てきたとき、そういったときはおそらく、仕事でも行き詰まりを経験していることが多いので、こころの課題に対処できるようになるために教育分析を始めるかと思います。
そして教育分析を受けたあと、人生の中で再び、自分の課題についてどうしようもないと思えば、教育分析を再開するかもしれません。
カウンセラーの仕事をしていると、ひとりきりで自分のこころの課題を取り組むのが大変なのは理解しています。そのため普段から、自分のメンタルヘルスについては、気を付けているカウンセラーも多いと思います。
趣味の時間を持ったり、気分を切り替える方法をいくつか用意していたり、仕事やプライベートの相談相手を作っておいたりなど。そういった準備をしていると思います。
結果として、自分ではどうしようもない大変な事態に陥る前に、何とか対処して乗り切るというカウンセラーも多いと思います。
自分のことを理解してくれる人がいるのは精神衛生上とても大事です。家族や友人、カウンセラー仲間は理解者になってもらえます。そういった人が身近にいれば、カウンセリングを受けないかもしれません。
Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査
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