確かにカウンセリングは批判をせずに話を聞いたり、想いを受容するということがあるので、優しいというイメージを持たれることがあります。
でも実際にカウンセリングを受けてみると、優しいことばかりではないと分かってくると思います。
共感ということを挙げても「共感=優しい」というわけではないのです。
たとえば、職場で同僚が嫌いでたまらない、怒りをものすごく感じると話されたとします。 そんな人がいる職場では仕事をやってられないので、辞めてしまいたい、という話をカウンセリングでしたとします。
普通の悩み相談だと「そんなこと言わずにちょっと我慢して仕事に行ってみたら?」「職場には他の人もいるでしょ」とか「気分変えたら」とか言われるかもしれません。
でもカウンセリングでは共感的に受け答えをします。
「確かに怒りをすごく感じますね。気持ちとして辞めたくなるというのも確かにあると思います。では、どうしましょう」という話になります。
話をしていた本人は、気持ちのどこかで愚痴として怒りの気持ちを言っているのだけれど「理解して止めてくれるかも」「解決法を教えてくれるかもしれない」という期待を持っていたりします。
でもカウンセラーが共感的に聞いてしまったために、怒りの気持ちをどうしようとか、嫌な人についてどう対応しようかとか、仕事をやめるのかやめないのかその後どうするのか、ということを考えないといけなくなってしまう。
そうなると「誰かが解決してくる」とか「問題は置いておきたい」ということが出来なくなって、「自分で問題を考えていく」ことになります。問題解決に主体性が求められるのです。
それは相談者にとっては、課題に取り組まなければならない事態なので、大変な仕事となります。
カウンセリングというのは、優しいように見えて、本人に何かを考えさせるという厳しいことをさせるといえます。
つまりカウンセラーは優しそうに見えたとしても、実は厳しさも持っています。そのあたりを知らずにカウンセリングを受けると「こんなに大変なことだとは知らなかった」と思うかもしれません。
カウンセリングは相談者を甘やかすといわれる方もおられるのですが、実際にはとても厳しいものです。
こころが変わるというのはエネルギーが必要なので、カウンセラーも優しさだけではできない仕事なのです。
Mitoce 新大阪カウンセリング・心理検査
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