こころを意識と無意識といった深層構造を扱うカウンセリング
当オフィスでは深層心理学、とくにC.G.Jungの分析心理学をベースに心理療法を行っています。分析心理学は日本では河合隼雄が分析家の第一人者として有名です。近年は認知行動療法など、無意識の深層を扱わない心理療法が広まってきていますが、現在も精神分析、分析心理学など無意識を扱う心理療法を実践している臨床心理士は多くいます。
深層心理学の利点は、こころの状態について根本的な変化(変容)をもたらすという点です。こころの深い層を扱うためです。しっかりと自分の内面を深める体験が出来た人は、自分らしい個性を発揮できるようになります。それを専門用語では自己実現といいます。そこに至るまでのプロセスを個性化過程と言います。
認知行動療法は、こころの悩みを具体的な機能(認知、思考、感情、行動)の問題としてとらえ、それらを変えていくことによって問題解決を目指します。
一方で深層心理学はこころを深めていき、自己実現と個性化を目指します。具体的なこころの症状を抱えている人だけでなく「なぜ私は生まれてきたのか」「私の生きる価値とは何か」「何のために生きていけばいいか」など人生に深く悩んでおられる方にも対応します。
ただし短所としては、具体的な結果が目に見えにくく、変容に至るまで時間がかかるという点です。数か月で終わることは少なく、数年かかって心理療法を続ける方もおられます。しっかりと続けた方は、以前の自分とは変わったということを実感されるようです。
深層心理学のカウンセリングで行うこと
こころの深層を扱う方法として夢分析を行います。夢分析とは、寝ているときにみた夢を検討する方法です。精神分析の創始者であるフロイトが「夢とは無意識へと至るための王道」といったように、無意識を知るためにもっとも役立ちます。
夢分析では、どのような夢を見たのか報告してもらいます。そして「夢から思いつくこと」を連想をしてもらいます。これは夢の内容が「その人にとってどういう意味を持つか」を大切にするためです。
これは夢占いと大きく異なります。夢占いでは「空を飛んだ夢は飛翔の夢。大きく変わるきっかけ」などと意味付けされます。しかし夢分析では「その人自身のこころに夢の意味が潜んでいる」と考えます。つまり、夢がどのような意味を持っているのかは、夢を見た本人にしか分からないという観点です。そのためカウンセラーが夢を解釈して意味を説明するのではなく、本人が「自分の内なる夢の意味に開かれる」のを目指します。
なぜ夢を分析するのでしょうか。それは夢を分析することで、自分の内側にある可能性に開かれていからです。自分の普段の意識では捉えられていない、こころの深層にあるその人の可能性を引き出すためです。無意識はその人の潜在的な可能性を夢を通じて表現することがあります。そのため、夢の意味を確かめるだけでなく、夢を通じて自分の無意識にあるものをしっかりと体験することが大切になります。
場合によっては夢の中で人格が大きく変化するほどの体験をすることがあります。それほど大きな内的な変化をもたらす夢をビッグドリームといいます。夢分析を続けていると、そのような夢を見る人は少なくありません。
これまでとは違う考えや感覚、感情を持つようになり、行動も変わる。起きた状況への対応も変わります。結果として、こころの内側が変化することで、人生が変わるのです。
これまでの人生を振り返りつつ、自分の人生を変えていきたい。そのような、こころの深い部分での変容を必要とされている方は、当オフィスにご相談くださいませ。