Q.84 たいした悩みではないのですが、カウンセラーに相談しても良いのでしょうか?

よくある質問・カウンセリングの疑問

プロのカウンセラーが良くある質問についてお答えします。

悩み事を相談しにくいカウンセリング

カウンセリングについて話をしているとこのような話を伺うことがあります。
「私の悩みは別にたいしたことないから、わざわざカウンセリングにいくほどの悩みはないですよ」
どうやらカウンセリングとは「こころの病気や重大な悩みを抱えている人が行く場所」と思われているようです。

少し強い言い方になってしまいますが、私はある意味でこれはカウンセリングへの思い込みだと思ってしまいます。
そこには「カウンセリングに行く人は自分では問題を解決できない弱い人」という偏見も含まれている場合もあるので、カウンセラーとしての意見を伝えたいという意図もあります。

まずカウンセリングは高額な料金がかかります。
そのため「ちょっとした悩み事」で受けに行くことは少なく、結果として「高い料金を払ってまでも相談したい内容」があるときに行く場所になっているのも確かだと思います。

しかしながら、それは料金だけの問題ではないと思っています。
実際に安めの料金(数千円)でしているカウンセリングの施設もあるのですが、かならずしも盛況というわけでもなさそうです。

カウンセリングは特別な悩みを抱えている人が行く、敷居の高い場所と思われている可能性があります。

 ではどのような悩みを抱えているときに、カウセリングを利用したらよいのでしょうか。

このあたりカウンセラー側からの説明も一般には少ないという事情もあると思うので、私なりの意見を説明します。

たいしたことない悩み?

「私の悩みはたいしたことないので」と仰る方に、辛い悩み事は全くないですか?とたずねてみます。すると「もちろんありますよ」と答えます。

仕事の悩み、友人との関係性、家族についての悩み、自分の人生についてなど、皆様いろいろな悩みを抱えておられます。
でもその人にとっては、どれも「カウンセリングに行くほどの悩みではない」といいます。

ではカウンセリングに行くような悩みについて尋ねると「うつとか、メンタルの病気になったら行くかも」といいます。

私はカウンセリングに来られる方の話を聴いていますので、このような「カウンセリングに行くほどの悩みではない悩み事」という分け方は不思議に思っています。

カウンセリングに来られる方の相談内容のほとんどは、「仕事や家族、友人関係など」の悩みであり、メンタル面の不調は「カウンセリングを受けるきっかけ」にすぎないのです。
つまり、「たいしたことがない」と仰るような悩みこそが、「カウンセリングで話されている内容」ともいえます。

カウンセリングはどのように利用する?

私はカウンセリングがもっと普及してほしいと思っています。
というのもカウンセリングが普及することによって、生きやすくなる人がもっと増えるのではと考えているからです。

 どんな人でも悩みを抱えています。
そして悩みの内容によっては職場でも言えない、家族にも相談できない、友だちやパートナーにも話し難いときがあります。

そのような悩みを抱えている人は、「苦しいけれどもとりあえず自分で解決できるまで我慢する」という対応をしがちです。

もし辛い悩みを抱えているとき、自分とは直接の利害関係のない専門家に「とりあえず相談して話すこと」ができたらどうでしょうか。気持ちは少しでも軽くなるのではないでしょうか。

利害関係のある知人であると、「話したあとに何かあったらどうしよう」と思って、悩み事を全部話せなかったりします。
その点カウンセラーは、直接は利害関係にある人ではない(それはお金を払うから担保できる関係性だとも言えます)ので、比較的自由に思っていることを話せます。

身近にカウンセラーがいる生活

私は「身近なカウンセリング」が広まることを目指しています。
というのも「ちょっとしんどくて、誰かに話を聴いてほしい」ときに、とりあえず話が出来るカウンセラーがいるだけで、メンタル面での安心感が違うと思うからです。

「悩みをひとりで抱えなければならない」
という状況から「だれかが聴いてくれる」という安心感のある生活です。

たとえば「ちょっとしんどくなったから、今日はカウンセリングに行って話を聴いてもらう」そのような利用方法でも構いません。
当オフィスでも、たった1回で終わるカウンセリングでも受け付けています。

「ちょっとしんどいときにも気軽に相談できる」
そういった利用もできるのが「身近なカウンセリング」の実現につながると思います。

自分のサポーターの日乙津として、カウンセリングがある。
そのような生活だと思って下さい。自分の行きつけのカウンセリングルームを作るという方法も良いかもしれません。

たいしたことのないような悩みだと思って遠慮することはありません。
自分が悩みを誰かに話して、聞いてもらいたいときに行く。それがカウンセリングの利用方法のひとつだと思います。

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